外国ではなく国内にだけ向けて強い発言をしても意味がない

 樹木希林さんが亡くなってしまい本当に残念。心情としては「樹木希林さんまで亡くなってしまい……」という思いで、今年は素敵な人がたくさん旅立ってしまった。自然災害も「観測史上初」などというものが珍しくないし、なんだか日本は地獄の釜の蓋が開いてしまったかのような印象だ。

 日常の作業(仕事とか買い物とか諸々)をしている時にふと「ああ、もうこの世に樹木希林さんはいないんだな」という思いが何度か過(よぎ)った。自分でも知らぬ間に樹木希林という存在が私の細胞に染み込んでいたんだな。


 本題。
 ロシアのプーチン大統領が東方経済フォーラムの場で突然「思いついた」北方領土返還の前提条件を一切抜きにした平和条約締結。自分に忠実じゃない人間をあぶり出すためには各方面にアンテナを張っている安倍政権なのに(そして駐韓大使は更迭された)、このフォーラムに合わせるかのように最大規模の軍事演習を中国軍を招いて行っていたのだから、もっとプーチンを警戒しておいても良かった。

あれを提案された安倍氏はただ苦笑いを浮かべるしかなかったのだが、後になって「四島返還が日本の原則だとプーチンに直接反論した」と発表したが、ロシア側はそんな話は聞いていないとの事。その話題を取り上げたMXの『モーニングクロス』では、石川さんというゲスト(男性)と司会の堀潤氏とのやりとりで、「(ロシアも日本も)お互いのメンツがあるのだろう」というような有耶無耶な流れで終わったのだが、この場合の「嘘をついてでも守りたいロシア側のメンツ」とはなんぞや?プーチンは、メディアや大勢の聴衆の前であの発言をしたのに。反対に日本の安倍氏は、その場では何も返せずに、後になって「自分はこう言った」と言葉だけで主張している。ロシア側は自分の主張も主張した事実も明確なのだから、後で安倍氏に反論された事ぐらいを今更隠す理由がわからない。MXと言えどもテレビなのだから、いい加減なコメントで視聴者の思考を誘導しないで欲しい。