存在を例えられない酷さ

 カルロス・ゴーン氏の逮捕は本当に腑に落ちない。検察のリークにより報じられている事がまるまる本当だとしても、ゴーン氏とその側近1名だけが逮捕というのがおかしい。

 これは検察が悪いのではないが、そもそも法律がおかしい。国民の税金から高額な報酬を受け取っている国会議員、しかも与党議員で大臣でもある片山さつき氏は政治資金収支報告書の間違いを指摘されても訂正さえすれば(しかも4回も)議員はおろか大臣すら辞めずに居座っていられるというのに、ゴーン氏ばかりが逮捕、再逮捕、勾留延長されているという状況はおかしい。国家権力に近い者こそ厳しい監視や規制で縛らなければならないんじゃないの。ゴーン氏の事は日産幹部が覚悟を持って問題の解決に取り組めば国家権力を頼る必要はなかったと思う。

 いくら地検がゴーンの逮捕に躍起になろうとも、「国の記録である公文書を改ざんした財務省幹部を逮捕しない人達が何を今更……。」とかえって軽蔑の気持ちを強くするだけだ。今後の国の在り方を左右する大問題だというのに。

 ゴーン氏起訴に向けている執念を、改ざんや値引き案件に使ってくれていたなら…。叩き易い人をメッタメタに叩いてみせて野次馬の方をクルリンと振り返り「どうだ!」と得意顔されてもこっちはドン引きするばかりです。

 「安倍政権の犬」という人もいるが、犬に例えるのは犬に失礼だ。堕落のレベルが、もはや生き物に例えられないくらい酷くなっているんだな。