チアダンとか大杉漣さんとか

 朝とか日中の時間帯の放送の中でなら熱中症等の注意を促す目的で気候上昇の話題を大きく取り上げるのは理解できるが、夜のニュースで散々暑さに翻弄されてヘトヘトになった人間に向けて「今日もこんなに暑かった!」とトップニュースで長々と伝える意味がわからない。いや、知ってるから!お天気コーナーの中で充分でしょう。少なくともトップニュースではない。

 そして「今年の暑さは異常」「今日もこんなに暑かった」と散々煽っている(実際に暑いけど)のに、「地球温暖化」にはあまり触れないのが不思議。結果とか目先の熱中症対策ばっかり。石原慎太郎氏が都知事だった頃に、ビルの屋上を緑化させるとか良い提案をしていたけれど、結局あれはなし崩しで終わったのかな。そういう対策にも再び目を向けて欲しい。子供達が外で遊べない国にしてはいけないよ。


 本題。
 7月にスタートしたドラマを何本か見てみた。今のところ、TBSの『チアダン』が面白かった(正確なタイトルはつのだひろさん方式で『チア☆ダン』らしい)。なんか、土屋太鳳さんにピッタリの役だ。しかもみんな身体能力高いし、見ていて爽やかな気持ちになる。

 ああいう若い出演者が沢山出ているドラマって、過剰なお芝居で一生懸命さが空回りしてしまったり、逆に同世代の仲の良さが出過ぎて馴れ合い感が画面からも感じられたり(朝ドラの後半によく見られる光景)するんだけど、『チアダン』は演技も演出も大袈裟じゃなくて、ストーリーは典型的なスポ魂学園ドラマなのかも知れないけど、全然抵抗感なく見られて、自然に物語に引き込まれた。わかっていたのに最後はもらい泣きしちゃったし。土屋太鳳さんと石井杏奈さんが踊りながらその曲を自然に口ずさんでいる所とか、なんか感動した。あれ、ハツラツとした感じで歌われたら私はシラけていた。

 話はそれるけれど、新ドラマを見ていて、改めて「大杉漣さんがいないと寂しいな」と感じた。

 私だけかも知れないが、大杉漣さんの出ている映画やドラマを見ていると時折不思議な感覚を得る。大杉漣さんの演じている人物が本当に存在しているように思え、彼等が演じている世界にふっと引き込まれるのです。「あれ?何だ、この感覚は……。」とハッと我に返る事が度々あった。特にテレビ朝日の『緊急取調室』(キントリ)がそう。共演者も素晴らしい人達(天海祐希田中哲司、でんでん、小日向文世)だったからだと思うんだけど、見ていて何度も、実際の会話を覗き見しているような感覚になった。

 大杉漣さんの他にこういう感覚になる俳優は吉川晃司さん。あとたまに内野聖陽さん。理由はよくわかりませんが、普段は映画やドラマを見ながら頭の中でごちゃごちゃ言っている私を“無”にさせる力がこの人達にはある。