得をしたのは誰？

週が明けてもまだ亀田。というか方向を変えて更に過熱している気がする。
私は、主にマスコミや経済に価値を置く人たちが言う「亀田家がボクシング界を盛り上げたのは事実。」という意味のコメントには賛同できないです。大体インテリぶった人というのは「僕は客観的に事態を見ているよ。」と言いたげな、こういうありがちな意見を言うんですよね。騒がれれば何でもいいってものでもないのに。


私は、亀田家というのは、強いかどうかもわからないうちからTBSがスポーツニュースなどを通して勝手にお茶の間に送り込んできた印象があるので、亀田家にまつわる一連の盛り上がりは「注目」というより、一家の乱暴な言動などに怒った視聴者の「彼等を出すな！」「もう見たくない！」という抗議の声を勝手に「反響が多い。」と自分たちの都合のいいように言い換えて報道してきただけだと思います。弱い相手とばかり対戦して、やっと世界戦かと思えば疑惑の判定とか八百長とかばかりだし。


フィギュアスケートの浅田真央選手などは、まず「ジュニアで凄い選手がいるぞ。」と話題になり、その選手がシニアの大会に出ても良い成績を残し、しかも本人も魅力のある選手だった事から注目され始めたのであって、あくまで実力が先だった。しかも、荒川静香さんが金メダルを獲った事もあり、フィギュア全体が注目され、新しく競技を始める人も増えた。


亀田家の試合に関しては、一部の人たちは試合に足を運んだのも事実ですが、実際にボクシングを好きになったという人がどれほど増えたのかは疑問です。現に、亀田家以外の試合は相変わらず注目は薄い。だから盛り上がったのは「ボクシング界」ではなくやはり「亀田家」だけなんだろうなと思います。


あと、テリー伊藤あたりがチャンピオンの内藤大助選手に対してもやたらと主張している「亀田のおかげで知名度が上がった。」という、まるで「だから感謝しろ」とでも言いたげな意見に対しても反対です。もちろん内藤選手が自分でそう言う事に何の異論もない（第三者が異論を言う権利もないし）けど、試合に関わっていないテリーあたりが押し付けがましくこの意見を言うのは、既にポンサクレックを倒してチャンピオンになっていた内藤選手に対して失礼だ。この試合のために実際にハードなトレーニングをし、減量にも耐え、しかも国民の「亀田を倒せ」というプレッシャーに耐えて勝利を掴んだのは他でもない内藤選手だ。つまり、注目されるに値する事をやってきたという事。そして、内藤選手が亀田を倒してくれたおかげで、テレビに出ているコメンテーターなどはやっと自分の言いたい事を言えた、という人も多いはず。あえて尊大な言い方をすれば、今までそんな彼に注目してこなかったテリーたちが自分を恥じるべき、くらいに思う。（この発言は怒りも含んでいるので、ちょっと挑発的な意見だなぁと自分でも思うけど。）


とは言え、亀田家の存在そのものを否定しているわけではないので、亀田家はいっそ自分たちで新たな団体を作ってそこで罵りあったりするショーをやればいい。“スポーツ”ではなく興業色が強い団体で活躍している分には風当たりも強くないと思う。