雑音は背負い投げ

北京オリンピックにちなんで、というわけではないけど、昨日は映画『カンフーパンダ』を観てきました。これぞアニメ(架空)の世界という感じで、スピード感があり、背景の絵も綺麗だし、スケールも大きいし、キャラクターは表情や動きが豊かだし、肝心のストーリーも夢や笑い・涙があってとても面白かったです。ギャグもシンプソンズっぽい、欲にまみれた感じで、爆笑というよりは思わず吹き出す事が何度かありました。


大きなテーマ(最終目標)なのに短い時間内で起承転結をおりまぜなければならないので、展開が早すぎまっせと思う所もあるけど、まぁ「アニメなんで。」と思えば納得できる。あくまで架空の世界を楽しみましょう、と。


途中に師匠と弟子の関係が描かれた箇所があって、それは親子関係と同じようなものなので、親の気持ちと子供の気持ちのすれ違いというか、伝わらない思いの切なさみたいなものに泣けました。


いい映画を観た後に上機嫌で帰宅してから、北京五輪の中継を見ていたんだけど、まさかまさかの谷亮子さんの準決勝敗退に、自分の事のようにショックを受けてしまいました。「日本に金メダルがー・・・」とかそんなくだらない理由(私にとっては)じゃなくて、谷選手が受けているであろう衝撃を勝手に自分の事のように受け止めてしまったという感じです。


何の関係もない私が推測でこんなに落ち込むのだから、何年間も並大抵ではない努力を積み重ねてきたヤワラちゃんがショックを受けてないはずがないのに、気丈にも気分を切り替えて3位決定戦で銅メダルを勝ち獲った精神力はさすがだなと思います。いや、まじでかっこいいわ、この人。


それなのに、やっぱり浮かない顔をしているヤワラちゃんを見ると、この人の背負ってきたものの大きさを感じずにはいられない。ヤワラちゃんが主導権を握っていたわけじゃないのに、五輪の選考基準には色々批判が出たからなー。銅メダル獲得後の記者会見で引退について質問された時にも、何回も「自分だけで決められる問題ではないので」と言っていたし、もはやヤワラちゃんを取り巻く状況は、本人もコントロールできないくらいに大きくなっているんだなと思いました。


来週あたりから、くだらない週刊誌が谷選手の事をえげつない言葉で叩くんだろうなと思うけど、週刊現代以外は、相撲界の裏側も、ジャニーズのスキャンダルも、亡くなった女子アナの元彼の事もビビッて深追いできないようなヘタレ雑誌だし、そんな雑誌が叩くのは叩きやすい相手に対する弱い者いじめに過ぎないので全く気にしなくていいと思う。ヤワラちゃんを批判できる人間なんて、選考会でヤワラちゃんに勝ったのに選ばれなかった選手だけでしょう。


こういう大きな国際大会がある度に、彗星のように現れて、一時は文字通りスターとして輝くけれど、しばらくすると表舞台からいなくなっている、または路線を変えてスポーツキャスターとして活動していくアスリートというのは沢山いるけれど、谷選手のようにずっと国際的に第一線で輝いている現役の選手というのはかなり珍しい存在なんじゃないでしょうか。


現役を続けるにしても、引退するにしても、今まで人々の期待に応えこれだけ周囲を盛り上げてくれたのだから、これからは自分のために生きてほしいなと思います。