愛ちゃんに見る中国卓球の壁の高さ

先日、バドミントンの大会、ヨネックスオープンを欠場するにあたりオグシオペアこと小椋久美子潮田玲子両選手が記者会見を開いていたんだけど、その時の2人の化粧が濃かったのを見て、もうこの人たちは今までとは別の世界の楽しさを知ってしまったんだろうなぁと思いました。報道陣はロンドンロンドンとうるさいけれど、まだ4年あるからね。本人のやる気云々の前に、その時期まで日本の上位に居続けているかなんて誰も予測はできない。でも、テレビに出るようになっても島田紳助とはあまり仲良くしないで欲しい。(と言ってもあの男は近づくんだろう・・・。いい人の仮面をつけて。)


テレビに沢山出るようになって、しかもそれでコンスタントに稼げるようになったら、本当に引退は近いだろうな。北島康介選手とかはうまく両立しているように見えるけど、実際は他の活動との片手間で勝てる程気楽な世界じゃないだろうから。そう考えると、北島選手もそうだけど、谷亮子選手のように育児と競技を両立している人も本当に凄いなと思います。


世間の一部で、ただヤワラちゃんが注目を浴びていい気になっていると思って彼女を叩いている人もいるけど、彼女が国際大会に出るなら柔道協会に援助費用を出しましょうというスポンサーは多い。ヤワラちゃんは、スポンサーを確保するためにも勝たなければならない。自分のためだけでなく、協会や他の選手たちのお金まで自分の勝敗で左右されるというプレッシャーは、普通の人では耐えられないと思います。ただ、ヤワラちゃん目当てのスポンサーに頼りきってる日本柔道協会はどうかと思うけど。


実際、スター選手が引退をしたらスポンサーも丸ごと撤退という事が過去にありました。「その競技が今後どうなろうと構うもんか。私の人生なんだ!」と辞められる人はまだいいけど、そう潔くできない人だっている。選手としての進退を自分だけでは決める事ができないって、スター選手の辛いところですよね。


本題。
やっと福原愛選手の『スポーツ大陸』を見ました。
『スポーツ大陸 北京で笑顔〜卓球 福原愛〜』
過去に放送した楽天田中将大投手とか巨人の上原投手とかテニスの錦織圭選手の時などは、技術的な話とか試合中の精神的な駆け引きについて多く取り上げていたけど、今回の愛ちゃんは『人間・福原愛』という感じで、彼女が北京オリンピックに出るまでの心の葛藤を多く描いていたような気がします。技術的な話はフォームの改善くらいかな。しかも結構サラっとだった。卓球を知らなかったり、愛ちゃんに興味がない人が見ても楽しめる番組というよりは、愛ちゃんファンのための番組のようにも思えました。


愛ちゃんの打つボールはパワー不足と言っていたけれど、それは平野早矢香選手とか福岡春菜選手とか石川佳純選手など、日本の女子全体に共通しているんじゃないだろうか。ヨーロッパの選手とか、効果音をつけるなら“ズドンッ!”とか“ドカンッ!”って音が似合いそうなくらいパワーのある強打を打っている。愛ちゃんは全日本の選手の中では、むしろ球のパワーがある方だと思うんだけど、私がその球を受けたわけではないので予測でしかありません。


中国に修行をしに行った時の映像では、現在世界ランキング2位の郭躍(カクヤク)選手と4位の王楠(オウナン)選手がチームメイトとして写っていました。ちなみに、王楠選手は中国の胡錦濤国家主席が来日した時に愛ちゃんとともに卓球をやっていた人。かつては世界ランキング1位だった程の人です。現在の1位は北京五輪で愛ちゃんに勝った張怡寧(チョウ・イネイ)選手がそのままキープ。


偶然にも、北京五輪金・銀・銅がその3選手でした。
・【卓球】北京五輪 中国がメダルを独占、張怡寧が連覇を達成


愛ちゃんは凄い人たちと練習していたんだなぁ。写真中央が愛ちゃんに勝った金メダル・ランキング1位の張怡寧(チョウイネイ)選手、向かって左が銀メダル・ランキング4位の王楠選手、右が銅メダル・ランキング2位の郭躍選手。余談ですが、私はこの郭躍選手が何だか好きです。愛ちゃんはこの郭躍選手と団体戦で対戦して勝った事があります。多分、日本の選手で勝った事があるのは愛ちゃんだけじゃないかな。


ここでもスポンサーの話になっちゃうけど、愛ちゃんが中国のスーパーリーグに参加していた時に、郭躍選手など中国のチームメイトのユニフォームにも日本のスポンサーのロゴが何社も入っていたのを見て、まだ世界レベルではそんなに強くなかった愛ちゃんを受け入れてくれた理由がわかった気がしました。中国に向けて出発するシーンなんて、何で報道のカメラが回ってるんだろう?と始めは思ったけど、ジャージやバッグにしっかりスポンサーの名前が・・・。ところで、愛ちゃんが中国のテレビ番組に出て、司会者に意地悪な質問をされたのもこの時期ですよね。まだ高校生の時だったのか。異国で勝てなくて、ただでさえ悩んでいる中、なんか色々大変だったんだなぁ。


食事の改善の映像は、北京五輪よりももっと前にNHKのスポーツニュースでやっていたものと同じだった。使い回しか。食事だけに頭が真っ白。それにしてもロールパン8個って・・・。そんな偏食だったらそりゃー肉離れも起こすよ。


嬉しかったのは、福岡春菜選手のインタビューがあったり、平野早矢香選手の団体戦での活躍も紹介していた事。世界卓球での団体戦の映像は何度見てももらい泣きしてしまう。なんかこの3人のチームワークがとても好きだ。もし北京でメダルを獲得していたら、福原愛特集としてではなく、この3人をメインに番組を作ってもらえたのだろうか?うーん、ぜひ見てみたかった。


北京五輪で、ランキング1位の張怡寧選手と対戦している時に笑っていたのは、愛ちゃんいわく

「自分がいくらナイスボールを打っても返ってきて、練習してきたものを全部出し切って、プラス・その他にもボールが返ってくるから、練習した事がない領域まで足を踏み込んで試合をしていて、ラリーも続くし、決まったと思っても返ってくるっていうのがすごいやってて面白くて。(相手は)強いんですけど、ボール自体がすごい綺麗だからやりにくいとか全然なくて、本当に実力(のある)選手なので、ラリーが続くというのが本当に面白かった。」

だそうです。私はてっきりあえて笑ってみせてるのかと思っていたけど違いました。本当に楽しかったみたい。確かに、張怡寧選手は凡ミスを滅多にしない。だからこそ1位なんだけど。


それにしても、「練習した事がない領域」って言葉が、中国のレベルの高さを感じました。日本が中国の壁を破る日はまだまだ遠いのだろうか?