4月のドラマ

生キャラメルでおなじみの田中義剛さんが、今度は北海道の夕張市花畑牧場の生キャラメル工場をオープンさせましたね。夕張の復興に役立てればと、生キャラメルの夕張メロン味が売れる度に夕張市に寄付金が入るようにいずれはしたいんだとか。日本にもこういう、社会に貢献できる、スケールの大きな実業家が現れたのかー。


本題。
『帰ってこさせられた33分探偵』の最終回は文字通り最後なのにちょっと笑いが空回りで残念だった。でもその前の大阪芸人殺しの回は最高でした。つなぎとは言え、たった4回で終わってしまうなんて。
他にも4月から色々ドラマが始まったけど、その中で自分が見たものの初回の感想を書いてみます。


白い春
阿部寛さん主演、大橋のぞみちゃん、も共演、というので結構楽しみにしていたんだけど、無駄に思える退屈なシーンが多くて、初回は途中でチャンネルを変えました。多分、その無駄さは、うまくいけば余韻とか雰囲気とかいう名に変わり、ドラマを効果的にしていたんだろうけど、この『白い春』の間を例えるならば、テンポの悪い司会者が、ゲストが話し終えた後に妙な間を空けてしまうぎこちないトーク番組みたい。


同じく阿部寛さん主演の『結婚できない男』にも、阿部寛さんがでてこない、本筋とはあまり関係のないシーンというものがあったけど、演じている人たちが上手だったのか、自然にドラマの中の一風景として受け入れる事ができた。あとテンポも良かったし。そういう点では、今回の若いカップル(ネットカフェで出会った男女)の存在は浮いている。正直、「この役いらなくない?」と思った。


それから、子供のシーンというのは、大人が思う「子供らしさ」をドラマの中で再現しようとすると、それを第三者(私)が画面で冷静に見せられた時に、何とも居心地の悪い気持ち(こっぱずかしくて画面を直視できない居たたまれなさ)を感じさせるものになる。子供はただそれだけで子供らしいんだから、やけに良い子だったり幼稚だったりさせる必要はないと思う。特に、大橋のぞみちゃんの良さというのは、子供ぶらない自然な子供、というところにあるんだから。


つまらねー・・・と思いつつも、『ラブ・シャッフル』のように「で、最終的にはどうなるのさ?」という気が起これば、知りたがりの性(さが)をくすぐられ、最後まで見る事ができる。でもこのドラマの場合は、最終地点がどうなろうとそこに興味が湧かない事が、チャンネルを変えさせる大きな要因だと思う。


『ぼくの妹』
かっこいいオダギリジョーさん久々のテレビドラマ主演、という事でこれは絶対見たかった。だけど、私は録画したものを後で見たのですが、かなりの部分で早送りしそうになりました。これ、宮崎あおいちゃんが共演(妹役)だったら良かったのになぁ。宮崎あおいさんや市原隼人さんっていうのは、台詞は名優のように上手には言えないけど、すごく心がこもっているから、見ている私は気がつけば物語の中に引き込まれている。反対に、長澤まさみさんは台詞を言ったりするのは上手いと思うんだけど、心にいまいち響かず、何の役をやっても「長澤まさみが台詞覚えて喋ってる」としか思えない。


このドラマを作った人は、役者として長澤まさみを起用したかったのか、それとも可愛いまさみタンに露出の高い服を着せ、それを眺めながら一緒に現場で仕事をしたかったのか、本音を言ってみよとスタッフに問い詰めたい。長澤まさみの事務所の人って、彼女の将来をちゃんと考えているんかいな?デビューの頃は本格派女優として芝居に打ち込む職人気質の印象があったけど、最近はどのドラマを見てもわかりやすい感情表現方法で誤摩化してる。芝居はいいけど現場で嫌われた沢尻エリカよりは、仕事が途切れないだけ、偉いさんに気に入られといた方がいいんだろうか。

これは『白い春』と違ってちゃんと最後まで見たけれど、これも別にこの先の展開に興味が湧かない。まさかとは思うけど、「実は血のつながらない兄妹だった」という陳腐な展開にはならないでしょうね・・・。長澤まさみさんの不倫相手役として田中哲司さんも出ているのですが、それが何よりの救い。この人本当にいいなぁ。


『アイシテル—海容—』
教育熱心な家庭に育った、私立の小学校に通う男児が、いわゆるわかりやすい家族愛に包まれた小学生男児を殺してしまうという物語。殺された子の家庭に姉がいて、姉だってこの事件に傷つき動揺しているのに、母親が一人で悲劇のお母さんに浸っているせいで、しっかりものの姉を演じなければならない・・・という設定はリアルだなと思いました。これって実際にある心理らしいです。自分だってまだ子供なのに我慢を強いられ、でも事情はわかっているし親が苦労しているのも間近で見ているからわがままも言えず・・・という心境を察するとやりきれない気持ちになる。


このドラマでその姉を演じている子が、『ブラッディ・マンデイ』で主人公の妹を演じた子なんだけど、『ブラッディ・マンデイ』の時と見違えて演技がうまくなっていたので驚いた。


これは実際に起こっている事なんだろうけど、加害者の少年に対して周囲が腫れ物に触るように接しているのを見るとどうにも違和感というか不快感を覚える。何おにぎりをもぐもぐ食べてるんだよぅっ!と。被害者の家族があんなに苦しんでいるのに。徐々に事件の真相がわかっていく、という物語の進行上仕方ないのかも知れないけど、もうちょっと加害者少年の孤独さみたいな、少年なりの辛さが視聴者にわかっていれば、少年がカウンセラー(だっけ?田中美佐子さんが演じている役)に段々と心を開いていく過程にも「やっと心を許せる人に出会えて良かったね」と感情移入できたのになぁと思います。


最初の設定が過激なドラマでも、最後には登場人物がみんな悟りを開いたようにものわかりがよく寛大になって、全てが都合よく丸く治まってメデタシメデタシという温〜い終わり方が多いんだけど、このドラマもそうなりそうな予感。


『BOSS』
天海祐希主演。竹野内豊温水洋一戸田恵梨香玉山鉄二吉瀬美智子ケンドーコバヤシ溝端淳平等々、私が好きな人ばっかりが出ているという奇跡の配役。あるのねー、こんな素敵な偶然。


メンバーそれぞれが訳ありな印象をチラつかせつつも、それを描く場面でもテンポが崩れる事なく、同じ場面でも目線(視点)が何度か変わるので、緊迫感が切れる事がない。


第一話では何者かによる爆破事件が起きるんだけど、犯人が誰なのかはもちろん、誰が被害者なのか、具体的にどんな手口でそれは起こっているのかがよくわからないような映像でその場面が映し出される。そういう状態で次から次へと事件が起こり、遂には天海祐希さん演じる刑事の目の前でそれが起こってしまう。


その辺りからやっと事件がわかりかけ、事件が見えた頃には天海祐希たちが容疑者を割り出していて、容疑者はそこで初めてドラマの中に登場する、というもので、視聴者が謎解きに参加できるような形式ではなく、むしろ思考停止状態で、与えられるもの(事件が起きているシーン)を理解しているうちに犯人が捕まる。だからあっという間にドラマに引き込まれ、疾走しながら物語は展開していく。最近のドラマは、「そんな事いちいち説明されなくてもわかるよー!」とうんざりするくらいわかりやすいものが多かったから、この突き放した感じは好きです。ただ、いざ最後のドンデン返しになると、さっきまでのハイスピードが嘘のように失速して、オチも読めてしまう。読ませないで、私に。まぁコメディだからいいか。


初回のゲストの武田鉄矢さんが良かった。普段いい人イメージで世間に出ている人が悪役をやる不気味さがいい。萩本欽一さんが悪役をやってみてもハマるんじゃないかな。


私が今回見たドラマは以上です。今でも見続けているのは『BOSS』と『アイシテル』です。