ドラマあれこれ

刑事もののドラマを見てる時って、特に勝負するつもりはなくても、自然と「あら、犯人はこの人かしら?」とぼんやり考えつつ画面を目で追うわけだけど、昨日の『BOSS』にはやられました。全く予想できなかった。よく脳科学者の茂木健一郎さんが、「そうか!」とガッテンした瞬間が脳細胞にとって凄く良い刺激になる、というような事を仰っているけど(アハ体験?)、昨日のBOSSはまさにアハ体験でした。殺人というテーマなのにも関わらず、見終えた時の爽快感ったら。ゲストの生瀬勝久さんの、発声の使い分けも見事でした。さすが、基礎を積んでる人って違う。


『BOSS』に関しては、先々週の富田靖子さんの回が一番の感動の回だったんだけど、今回はそれを越えました。顔はにこやかだけど内面は腹黒い、という役をやらせたら、富田靖子さんと石田ひかり(妹の方)の右に出る人はいないね。


その演技に刺激されたのか、この回の天海祐希さんの演技に凄く迫力があって、語らずとも表情一つに深い感情が表れていました。特に、最後に富田靖子さんと話し合っている場面で、番組スタッフが富田靖子さんに「そろそろ本番でーす」と声をかけた後、最初はスタッフの声のした方向(扉の方向)に顔を向けていた天海さんが、富田さんの方向へ顔を向け直す所。なんでもない場面なんだけど、天海さんの表情に、何故か涙がぼわっと出た。


そういえば先週だったか、『BOSS』のBGMに『プリズンブレイク』のオープニングテーマ曲が使われていましたね。やっぱりアメリカのドラマ作りを意識していたのか・・・。


同じく刑事ものの『MR.BRAIN』はもうちょっと頑張らないと。『BOSS』も出演者が多いけど、全員に役割があって無駄な人が一人もいない(特に私にとっては、全員好きな人という奇跡のキャスティングなのでひいき目も手伝っているのかも知れませんが)けど、『MR.BRAIN』は今んとこ無駄が多いという印象です。


しかもトリックもイマイチで、前回(第三回)はバレバレでした。それから、相武紗季さん個人に(人間としての)恨みや嫌悪感はなく、むしろ可愛いなぁと思うんだけど、せめて1年間、みっちり芝居の稽古をし直してからドラマに出演してくれやしまいか?と思う。表情にも深みが無いし、もちろん台詞も学芸会並み。それなのに何故か大河ドラマ(『天地人』)にも出ていて、せっかくのいい場面をブチ壊してくれた。あの姫役が宮崎あおいちゃんや本仮屋ユイカさんや蒼井優さんだったら・・・。(←年齢や、元気な姫という設定に合いそうな人で選んでみました。)


古畑任三郎みたいな突拍子もない役柄や物語が何故視聴者に受け入れられたかと言えば、やっぱり演じていた田村正和さんの演技力によるものが大きいと思うのです。いくら相武紗季さんが沢山スポンサー持ってるからと言っても、ドラマを台無しにしてまで出すかね。まぁ、今回の『MR.BRAIN』は内容も面白くなかったから、台無しにされた感は無いけど。早く沢尻エリカ復帰しないかな。


ちなみに、『アイシテル〜海容〜』はやっぱり温い偽善的なまとめ方になってきた事に耐えられず、数週間前に脱落しました。現実ってそんなに御涙頂戴的に感動的にできてないんだよ。子供による子供の殺人、という「ドラマだから」と茶化せない重いテーマを扱っておきながら、結局最終回にメデタシメデタシと終われるように都合よく登場人物の心情を動かしている事が不快。脚本家がこのドラマを書くにあたって、どれくらいの被害者家族や加害者家族に取材したんだろう?