幸せへの罪悪感

NHKの土曜9時のドラマ『風に舞いあがるビニールシート』はやっぱり面白い。ピューリッツァー賞を受賞した「ハゲタカと少女」の撮影者が自殺した事とか、現実に起きた出来事を織り交ぜているせいか、やけに現実味があり、本当にこの役柄の人たちがどこかで生きて頑張っているような錯覚を起こす。もちろん、現実とリンクしているからだけでなく、役柄の描き方が良いからなんだろうけど。


職場の場面だけでなく夫婦の問題もリアルで、夫が家に近寄らなくなった原因の一つに、「帰る度にクッションなどの物が増えていく」という事とか、「サンタのコスプレにも付き合った」とか、吹石一恵さん演じる妻が夫(家庭)のためにとやった事が裏目裏目に出てしまう。確かに、発展途上国で、日本人が想像もできないくらい飢えに苦しむ人々を何ヶ月も目にしていたら、日本で物に溢れて暮らす事がくだらなく無駄な事に思えるのは無理もない。だからといって、この夫を孤独の中に置き去りにしていいんだろうか?というジレンマが伝わって来ました。妻が甘えたくて(夫に構って欲しくて)やってる事じゃないだけに切ない。ただ、夫が妻に「君もフィールド(アフガニスタンなどの現地)に行ってみない?」と誘った場面を見た時に、この夫は妻を同士としてしか見ていないんじゃないか?と思った。現地の状況を知って欲しいという気持ちはわかるけど、愛する妻を危険な場所に行けと言うなんて。


ちなみに、国連の機関だから国際色豊かで、職場にはソフトバンクのCMでお馴染みのダンテ・カーヴァーさんも同僚役で出ています。


来週は、夫が現地で銃撃に遭ってしまうそうです。あ、もう今週離婚してしまったから元夫ですね。なんだか段々と切ない方向に行くなぁ・・・。