結果責任を取るべきだったのは

これは心に突き刺さった。と同時に重くのしかかった。


19日放送のNHKスペシャル
密使 若泉敬 沖縄返還の代償

1972年に、「核抜き・本土並み」をうたって実現した沖縄返還。しかし、その裏で、「有事の核の再持ち込み」を認める「密約」が、日米首脳の間で取り交わされていた。その交渉の際、「密約は返還のための代償だ」として佐藤首相を説得し、密約の草案を作成したのが、首相の密使、若泉敬京都産業大学教授だった。若泉は、1994年に著作『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』でその秘密交渉を暴露し、2年後に亡くなった。若泉はなぜ国家機密を暴露したのか。


これまで全く明らかにされてこなかった、機密資料と新証言から浮かび上がるのは、沖縄返還の代償として結んだ密約が、結果として基地の固定化につながったことに苦悩し、沖縄県民に対する自責の念に押しつぶされる若泉の姿だった。本土と沖縄の断絶に引き裂かれ、破滅していった若泉敬の生涯を通して、いま日米間の最大の懸案となっている、“沖縄問題”の深層を描きだす。

この番組を見た人なら誰しもが思ったんじゃないか。「何故、W杯サッカー日本戦の裏で放送するんだ?」と。この日じゃなければ放送は許されなかったのか?本編の若泉さんの手紙に「誰もが無関心」というような言葉が書かれていたけれど、そういう内容を扱う番組にしては、あまりにも作為的な放送時間じゃないのかな。まさか、「たまたまこの日だった」偶然って事はないでしょう。


それにしても、本当にアメリカは恐ろしい国。私の偏見で、アメリカに先祖代々住んでいる白人ってつまりは侵入者なわけで、普通にヨーロッパに住み続けている白人よりもタチが悪い、と心のどこかで警戒しているんだけど、こういう話を聞くと、私の偏見もまんざら間違ってもいないなと思ってしまう。


この交渉で「全てを手に入れた」アメリカは、再び沖縄や日本を食い物にしようとしている。


アメリカもアメリカだけど、政治家の鈍感さにも憤る。視点を変えれば、これは政治家の鈍感力に翻弄された人の苦悩でもある。結果責任を取るべき人は若泉さんだけだったんだろうか?


鳩山由紀夫さんはこの番組を見たかな。岡田監督から贈られたユニフォームを着て嫁とサッカー観戦でもしていそうだな。