We Can Be Friends!

先週の事になるけど、TOKYO MXの『ザ・ゴールデンアワー』という番組を見ていたら、あの世界の王貞治さんがVTRに登場してビックリ。しかもこの番組単独のインタビューに気さくに答えていらっしゃいました。


なぜ王さんが登場したかと言うと、王貞治さんと元大リーガーのハンク・アーロンさん(第一回のWBC勝戦で試合前に王監督と肩を組んで歩いていた人)が発起人となって始めた世界少年野球大会(World Children's Baseball Foundation、略してWCBF)が今年は東京で行われたために、その様子を番組が取材しに行ったのです。リポーターは番組の司会でもある徳光正行さんでした。


年に一回開催されるこの大会は今年でもう20回目を迎えるそうで、という事は王さん達の活動も20年に渡っているのかと思うと王さん達の野球への情熱を感じずにはいられません。しかも、そんなに派手に活動を宣伝をしてもらえている状況じゃないのに。


王さんの語った言葉の中で特に印象的だったのは、オリンピックで野球が外されるような状況をとても残念に思っていて、だからこそ野球があまり普及していない国の子供たちにも野球の楽しさを伝え、そこから野球を広げていきたいという言葉です。


言い方は悪いけれど、こういう活動を自分の肩書きを良くするために華やかに行う人は沢山いると思う。自分の生き甲斐のためとか。私はそれが悪いというのではなく、そういう活動だって確実に誰かが助かっているんだから、何もせずに「偽善者め」と言っているだけの人達よりも数倍人の役には立っているし意義がある。


だけど王さんはそれを越えて、今の自分のためではなく、「今後の野球の発展ため」にこの活動をしていると思ったのです。現に王さんは、この活動の成果は私が生きている間には見られない、というような意味の言葉も笑いながら付け加えていました。決して悲観的な意味ではなくて、この活動の最終目的がそのくらい大掛かりなものだという事です。


このWCBFはただ野球の試合をするだけでなく、およそ一週間外国の野球少年(女子もいる)と日本の野球少年たちが親元を離れて共同生活をするのです。
最初はモジモジしていたような子供達が最後には「別れが辛い」と泣いていて可愛かったなー。こういう事を経験できるこの子供達はすごい幸せ者だなと思います。こういう風に広い世界を知っている子は、将来人生の壁にぶつかっても、今いる場所だけが自分の世界ではないと知っているから、すぐに自殺などの選択に追い詰められにくいと思うのです。表向きは野球の普及だけど、王さんたちは無意識にこの子供達の未来そのものも救っている。私も将来お金持ちになれたら、こういう活動をできる人になりたいものです。


ちなみに、大会中には野球指導も行っていて、あのまさかり投法でお馴染みの村田兆治さんが直接指導に当たったりしているそうです。それから数年前に生徒側で参加した人が、今度はスタッフ側で参加していて、どんどん輪が繋がっているようでした。


このWCBFが気になったのでネットでちょこっと調べてみたら、またWikipediaなんだけどこんな情報が。

WCBFを経て大選手に成長する選手も多く、例えば1991年の千葉市で開催された大会に参加し王貞治から指導を受けたキューバフレデリク・セペダ外野手(当時11歳)は、2004年のアテネ五輪・2006年のWBCで共にキューバ代表としてプレイした。そのことを知った王貞治は大変な喜びようであった。



良かったよぅ。王さんが喜んだ事に喜びを覚える私です。


世界少年野球推進財団HP
http://www.wcbf.or.jp/