これぞ電波の無駄使い

 幼児虐待のニュースがある度に、世論は親に憎しみの視線を向け、子に対しては憐れみの声を上げるけれど、【虐待されて育った子供】がいつまでも【子供】でいつづけるはずもなく、当たり前だけど年齢は確実に1年ごとに増えていくし、見た目だって大人になっていく。だけどそこに中身がともなっている保証はない。


 例えば、親に面白半分でライターの火であぶられて育ったり、親がお風呂にいれてあげないくせに「体が臭い。あっちに行け。」などと動物用のゲージに閉じ込められたり、ベランダに放り出されたりして育った子は、いつ“他者を思いやる心”というものを得るのだろう?


 必ずしも親や家族(血の繋がりのある者)の愛情が必要とは思わないが、人間の子というのは人と接する事で初めて学ぶ事ができる生き物なので(だからオオカミに育てられた子はオオカミのように振る舞う)、我が子を愛せない親だからといって、それが本人だけの責任だと片付けて終わりにしないで欲しい。同じ経験を繰りかえさないためにも、虐待された子のケアにもっと目と関心と予算を向けて欲しい。


 本題。
 ショーンK氏が経歴詐称だと騒がれているが、安倍晋三学歴詐称はなぜ問題にならないのだ?自分達の国の一番の権力者が、せっこい嘘をついて自分を大きく見せていたんだぞ。それが今の日本の顔(今の日本を表している)と言われれば、そんな気もしてくるのだが。


 ゲスの極み乙女にしてもそうだけど、マスコミは、背後関係が弱いものに対しては徹底的に叩くよね。TBSの『情報7days』でライブ会場まで追い回している映像を見たが、あれはまるでマスコミによる苛めだ。司会者のビートたけしさんなんて、愛人がいて自宅にはほとんど帰っていないと公言しているのに。(でも私はたけしさん大好き)


 ゲスな芸能リポーター達は偉そうに「世間に向けて謝らないと」とか言うが、それはただ単に自分達にとっておいしいネタになるからそれが欲しいだけじゃないか。だいたい、ベッキーと不倫報道があった直後は報じる方も「ゲスの川谷って誰?」というリアクションだったのに。


 しかも、こんなネタの時しか熱いコメントをできない芸能人コメンテーターがまるで「ベッキーだけがこの不倫で仕事を失ったのは可哀想」とベッキーが被害者のように言い出してるが、【不倫報道→スポンサーに向けた釈明会見→】この段階まではベッキーもテレビには出られていたし、休む予定もなかったじゃん。だから不倫報道でベッキーが害を被ったのではない。問題はその後に【→友達として押し通す予定!】と彼氏にラインしつつ、見事に半泣きで本当に友達だと釈明してみせた事がバれ、それまで必死に作ってきたいい子キャラが崩壊したためじゃん。


 そもそもベッキーにとってゲスが初めての彼氏でもないし、ゲスを好きだと言って近づいたのもベッキーだし、男27歳で女32歳だし、芸能界のキャリアがあって怖さやイメージの大切さをよく知っているのもベッキーの方だし。なんか、ゲス憎しのあまりにベッキーを被害者のように言うコメンテーターは思慮が浅く見えちゃうね。(ちなみに私はベッキーが出ている番組は見ていなかったので、復帰しようがしまいがどうでもいいのだが、この不自然な流れにはどうにも腹が立つのでブツブツ言っているだけ。)


 それにしても、共演者にさえ崩さなかったいい子キャラを、川谷の前では脱ぎ捨てていられたんだから、ベッキーにとって川谷は安心できる相手だったんだろうな。


 話がすっかりそれたが、マスコミは、そんなどうでもいい弱い者苛めに金と時間を費やしてないで、甘利の事とか安倍の学歴詐称とかTPPの知られていない部分とか原発や復興予算の使われ方とか・・・ホラ、こんなに書ききれないくらい日本にとって重要な事が沢山あるじゃないか。視聴者が見てくれないというけれど、実際に自分達の生活に影響があるのはゲスの事などではなくこっち(政治)の方なんだから、いくらでも食いつける報じ方はあるよ。ただ日和って無難な事しか言わないからつまらなくなるだけで。


 情報番組は週刊誌のネタをそのまま紹介、ドラマだって大きい事務所の下手な役者ばかりが主役をはって、しかもテーマもこれまた無難で超つまらないし、このままだったら本当にテレビはネットに負けるぞ。