細々とドラマ感想

久々に平和な感じでドラマの話。最近始まったドラマは結構見たので、見たものと感想を。文章で書くと、偉そうな書き方になってしまうのは許して下さい。


フジテレビのモンスターペアレント米倉涼子は綺麗でかっこいいんだけど、親の方(教育)を取り上げたいのか、米倉の仕事ぶりの変化を取り上げたいのかハッキリしない。ドラマなのに、結末がリアル過ぎて曖昧。木村佳乃演じるうるさい保護者=モンスターペアレントが、なんであんなにぎゃーぎゃーと干渉してくるようになったのか、その辺を掘り下げてくれるのかと思ったら、木村佳乃は一回で終わりのようなので、一人の親に対してああいうまとめ方で終わるなら、一回見たらもういいかなーという感じでした。


TBSの『魔王』
これは面白かった。真実がどうなのかまだわからないけれど、『羅生門』のように弁護士の目線から見れば、正義感を振りかざしている熱血刑事が、実は過去に殺人を犯し、しかもそれを嘘でごまかし罪を償う事さえしていない。そんな刑事が自分がやった事を再現させられた場面では、そこに至るまでの過程が長くて謎だったせいもあり、「ああ、弁護士は刑事にこれをやらせたかったのか!」と爽快感さえ感じてしまった。つかまるな、弁護士。


出演者で言えば、特に刑事役の人が良かった。普通、ああいう熱い役を若い人がやると、やたらと大声張り上げて、自分(とその若い役者のファン)だけが「俺って熱演してる」と満足して終わるんだけど、そんな感じは全然しなかった。弁護士の嵐の人は、優しい昼の顔の時はもっと優しげでもいいのになーと思った。昼(表)の顔の時から既に暗い過去がありそうに見えてしまう。


原作は韓国のドラマらしいんだけど、元を知らないので比べる事なく楽しめた。どうか勝手に日本側のスタッフが脚本をアレンジしたりしないで忠実に描いて欲しい。リメイクものを何も(元になったものを)知らずに見ていても、何かこのエピソードは無理があるなとか、この役柄はいらないんじゃないかと思うものって、リメイクした側が新たに付け加えてる場合が多いので。あ、嵐のもう一人の人がゲストで出ていたけど、彼の助けは必要ないんじゃないかと思った。そのくらい面白い。


そして何より今一番面白いのはNHK監査法人。『ハゲタカ』とか『フルスイング』とか、この時間は面白いものが多いなぁ。勝手に土9と名づけたい。私は経済に疎いけど、そんな私でも毎回ゾクゾクと身震いするくらい物語にのめり込む。


これはドラマの中だけでなく、現実の社会でも理想に基づいた信念を貫くのは並大抵の事ではない。でも、それを実践しようとする者に対して、欲や名誉に負けて脱落した者たちが口を揃えて「お前たちは青い」、と見下したように言うけれど、実はそれは地獄の底で見上げながら囁く悪の誘いなんじゃないかと思える。医者が一刻を争うような場面で、どうしても患者を選ばざるをえない事があるけれど、その選択の辛さに比べれば、欲に負けた人たちなんて、ただ低い場所へ流れていく汚水のようなものだ。


でも予告だと、主人公が信じてついていった上司の理想がついに崩されてしまいそうな展開で嫌な予感。今週の後半で、取調べを受ける橋爪功さんの顔には影が、塚本高史さんの顔には光が射している場面がせめてもの救いに思えた。


NHKドラマ『監査法人
【チーフプロデューサー】磯 智明
【演出】渡辺一貴
【脚本】矢島正雄 小林雄次


【出演】
塚本高史
豊原功補
松下奈緒
橋爪 功
阿部サダヲ
勝村政信
竜雷太
利重剛
綿引勝彦
清水章吾


長門裕之
四方堂亘
黒沢年雄
西原亜希
加藤武
デビット伊東
岩松了


多岐川裕美
山本龍二
利重剛
うじきつよし
大滝秀治
津川雅彦 他