第二の円谷幸吉さんを作るな。

女子サッカーが前回金メダルのノルウェー相手に凄い事になってる。何が何でも得点してやろうという気迫が伝わってくるようだ。この必死さを見ていると、男子サッカーとバドミントンの潮田・小椋ペアに足りなかったのはこれだったんじゃないかと思えてくる。


本題。
結局野口みずきさんの欠場が決まりましたね。ご本人の気持ちを思うと本当に切ないです。簡単に「調整の失敗」と言う人が許せません。


これは残念な出来事だけど、でも野口さんはふざけていてアクシデントに見舞われたのではなく、むしろ一生懸命だったからこそ今回の怪我を起こしてしまったので、私は広い目で見ればこの事は絶対野口さんのマイナスにはならないと思います。北京五輪のレースで引退する気であれば、足がどうなってでも出場しただろうし、きっと次のレースを意識しての欠場なんだろうなとも思いました。


この事で学ばなければいけないのは野口さん側ではなく、むしろ簡単に「2連覇!」と期待をかける人たちなんじゃないかなと思います。見事中国に次いで銀メダルを獲得した男子体操に対して「銀メダルおめでとう!」ではなく「2連覇ならず・・・」と見出しをつけるマスコミの非情さ。これを親に例えるならば、いくら勉強やスポーツを頑張っても結果が出なければダメだといわれ続け、やがて追い詰められてキレて親を殺す子供の気持ちがわかる気がします。金メダルなら、オリンピックが終わったり引退すれば終わるけど、勉強を強いられる子供というのは視野も狭いし、この親の子であり続ける以上一生続くような絶望を味わうのでしょう。


本当に野口みずきさんの事を思うなら、気軽に「次も金メダル獲って」なんて本人には言えないはず。つまり、安易に口にしてる人っていうのは、本人の事より自分が感動したいんだと思う。そんな心ない人たちの言葉なんて耳に蓋をして聞き流してしまいなさいと思うけど、金ダメルを獲るような人たちは私と違って「うるせー!じゃあお前がやってみろ!」なんて言わない心の綺麗な素直な人たちだから、「みんながこんなに期待している。その期待に応えなければ!」と言葉通りに受けとめてしまうんだろうなと思います。


でも、2連覇というのがどれほど肉体的にも精神的にも難しいかというのは北島康介選手の涙を見ればわかる。マスコミや後援会は、「何で怪我するまで練習させたんだ」とコーチ陣を責める前に、何故そこまで彼女がそこまでの練習を必要としたのかを考えるべきだと思います。野口さんに注目が集まっていたおかげで負担が少なかったはずの土佐礼子さんにこのプレッシャーが移行しない事を望むばかりです。