彼も人也

卓球ばかり書いていたので書きそびれていたけど、陸上競技がどんどん進行しています。100mではタイソン・ゲイが予選落ちしてしまいましたが、大阪の世界陸上で3冠を獲得した姿が記憶に新しいので、私にとってはこの人の威厳が損なわれる事はないです。あの世陸での命がけのレースを制したゲイの衝撃が大きい。目玉飛び出るんじゃないかというくらいの形相。あの時と今回の結果を見比べると、オリンピックに照準を合わせる難しさを痛感します。


今回金メダルを獲得したウサイン・ボルトは超人的ですね。この人が元気なうちは、誰も勝てる人がいなんじゃないかと思わせるくらいの余裕を感じる。まだまだ記録を縮めていきそう。


為末大選手が一回戦で敗退してしまいました。大阪世界陸上からオリンピック予選までの過程を見ると、よくここまで頑張ったなぁと思います。ただ理論を追求しすぎたかな。この人の場合コーチがいないから、トレーニング方法から自分で考えるしかないので仕方のない事なんだけど、もっと肉体のコントロールだけに集中できれば、アスリートとしては違った結果が出てきたのかも。きっと為末選手は成績だけでなく、競技を離れたその先の事まで考えているんでしょうね。


110mハードルの劉翔のレースを楽しみにしていたんだけど、まさかの棄権と聞いて驚きました。本当はずっと足に痛みをかかえていたそうなんだけど、重すぎる国家の期待を背負って言い出せなかったんでしょうかね。


野口みずきさんや土佐礼子さんもそうだけど、一アスリートにみんな乗っかりすぎだと思います。特に劉翔の場合はマスコミやスポンサーとかファンとかサポートメンバーの期待だけでなく、国家の威信までかかっていたから気の毒です。スポンサーはその選手に賭けたお金を倍にしてもらおうとがっつくのではなく、基本的にはお金を捨てる気持ちでその人を支えて欲しいし、ファンも、自分の応援で選手を支える気持ちでいて欲しい。決して自分の日常の憂さ晴らしを選手に託してはダメだ。本当なら、自分の心を感動させるのは自分でなければならないのだし。


でも、鉄壁に見えた劉翔も人間だったんだね、と思いました。ただ周囲は、彼が人間だという事を忘れている。中国では批判は凄いらしいけど、辛かったら日本に来ちゃいなよ、と思います。来チャイナ。


それから、男子テニスはウインブルドン同様、スペインのラファエル・ナダルが金メダルを獲りましたね。男子テニス界は今年はナダルの年だ。残念ながら試合の映像は見られなかったんだけど、きっとウインブルドン同様のフットワークでボールにくらいついていったのでしょう。卓球は英語だとTable Tennis と言うけれど、うまい選手の卓球はまさにテニスプレイヤー並の動きを見せてくれる。


これも情報だけなのですが、ダブルスでは現在ランキング1位でウインブルドンナダルに敗れたフェデラー・ワウリンカ組が優勝したそうです。


新聞で読んだのですが、ナダル選手はテニスのトッププレイヤーには珍しく、北京オリンピックではホテルに泊まらず選手村で同国の仲間たちと過ごしたのだそうです。そのおかげで選手達の応援ももらえたんだとか。ナダルは今回の優勝でついに世界ランキング1位になるそうです。日本の片隅から、おめでとうございます。