深浦加奈子さん

深浦加奈子さんがガンで亡くなったと聞いて、一瞬耳を疑いました。だって病気をしているなんて全然知らなかったし、なんとなく、いつまでも女優さんとして年齢を重ねても活躍していく人だと勝手に思っていたので。


役柄はキツい感じが多いけど、深浦加奈子さんとして話している時は本当に感じが良くって、そのギャップが素敵だなーと思ったし、本職の役者としても、色っぽい女性だったり、職場の意地悪な先輩だったり、生活に疲れた主婦だったり、人の噂が好きなおしゃべりなおばさんだったり、こんなに何でもできる人って本当に貴重だと思う。


この訃報はそれなりに情報番組では扱っていたようだけど、私が朝見た時(朝7時代)には、時間帯がずれたのか、一つも見なかった。あ、唯一東京ローカルのMXテレビ徳光正行さんの番組でやってたなぁ。私としては、もっと大きく扱ってもいいんじゃないかと思いました。それこそ山本モナの不倫の時なんて「もういいっちゅーの」ってくらい朝からしつこくやってた。


アメリカのアカデミー賞の授賞式の中では、その年に亡くなった映画人を、役者・監督など知名度のある人だけでなく、脚本家、照明など、裏方さんまで(多分チーフクラスの人ではあるんだろうけど)写真と名前を会場の大画面に写し、一人一人に拍手を贈るというセレモニーがある。


アメリカで深浦加奈子さんクラスの人だったら、きっと会場の拍手が鳴り止まないくらい役者やスタッフたちから敬意を表されるんだろう。


演技のロクにできないアイドル役者を主役にして顔色をうかがって脚本まで変えるのに、深浦さんのような本当の役者の存在を敬わず、代わりのきく大道具のように扱っている事が今の日本のドラマをつまらなくしている要因の一つだと思う。


私は一視聴者にすぎませんが、心よりご冥福をお祈りします。