自殺で敵は殺せない

全米オープンテニスの男子準決勝で、ウィンブルドン覇者のラファエル・ナダルが敗れてしまいましたね。残念!フェデラーは決勝進出。


本題。
・森山直太朗が“放送禁止曲”NHKで全部歌う

歌手森山直太朗(32)がNHK「MUSIC JAPAN」(11日深夜0時10分放送)で、一部コンビニエンスストアの店内放送の禁止など、賛否両論の論争が起こっている新曲「生きてることが辛いなら」を約4分半フルコーラスする。民放では、編成上の理由から3分程度の披露だが「今回は作品として、すべての歌詞をきちんと聞いてもらいたい」というNHK側の意向から、異例の、初フルコーラスが決まった。

NHKかっこいいぃぃ。かっこウィィィー(スタン・ハンセン風)。
美輪明宏さんも、自身の『ヨイトマケの唄』という曲が「差別だ」(“土方”という言葉が歌詞に用いられているから)として民放が放送禁止にした時に、NHKだけがこの曲を放送したのだそうです。やるね、NHK。避けるのではなくあえて公にする。こういう論議の呼び方は好きだ。聞いてるか?大麻事件を揉み消して逆にわだかまりを深くしたジャニーズよ。


それにしても、福田元総理の「あなたとは違うんです」発言にしても、コウダクミ(いつまでも漢字がわからん)の「羊水腐るんやで」発言にしても、最近の日本人は言葉の表面だけを受け取ってワーワーとヒステリックに騒ぐなあ。そういう人って短絡的というか、感受性とか観察力とか考える脳が溶けてきちゃってるんじゃないの?って心配になる。


私はコウダクミの発言についてはもちろん賛成ではありません。これを賛成という女性は、今まで大きな悩みを持った事のない呑気な女性なのではないでしょうか?人の痛みがわかる人なら、抗議はしないにしても、賛成はできないはず。


この「羊水が腐る」発言は情報としても間違っているから、それに関して訂正&謝罪を要求するのはまだいいと思うけど、感情的に「まだまだ許せない」と抗議し続けても、コウダクミはあえて誰かを傷つけたくて発言したのではなく、当時は本当にそう思って、何の疑いもなく口にしただけの事。普段は「うちは女性の味方やでー」みたいな事を言って、そういう歌をうたっておきながら、実は全然そうじゃなかった。つまりコウダクミの価値観に問題がある。そんな人にぎゃーぎゃー抗議をした所で、頭の中までは他人が介入できないから、今後は表で喋っていた事を裏で喋るようになるだけで、あまり意味は無いと思う。


森山直太朗の歌の話に戻りますが、この歌詞について私は何の問題もないと思うし、抗議している人が本当は森山直太朗が嫌いだからここぞとばかりに歌をやり玉にあげて直太朗を潰そうとしているんじゃなく、本気で「自殺を誘発している!」と思っているなら、その人はまず人に抗議をする前に、詩に対する読解力を上げて欲しいと思いました。あなたに何の権利があって、詩に対する抗議などできるのかと逆に問いたい。抗議できるほど、詩に対する理解力があるんでっか?と。


例えばこの詩で自殺を誘発される人間は、たまたまそれが森山直太朗の曲だっただけで、この曲がこの世に存在しなくても、別の曲や小説とか映画とか、何らかの要因で自殺を誘発されていたと思う。それに、たかが一アーティストの歌で自分の人生をお終いにするその人の他力本願っぷりに驚くし、仮に人生を捧げていい程の直太朗ファンなら、直太朗がこの歌詞で誰かを自殺に追い込みたいと思っているのかどうかぐらい理解できるはず。


新聞の記事で読んだのですが、同級生数人によるいじめが原因で自殺した生徒の葬式に、そのいじめた奴らがのこのことやってきたのだそうです。一応反省しているのかと思いきや、そいつらは棺に入っている亡くなった生徒の顔を携帯の写メールで撮影したり、顔を見てニヤニヤしながら何かを言い合っていたそうなのです。平手でバーン!とぶっ飛ばしたい奴らだね。その時の手はミッキーの手みたいに巨大化させたいよ。


抗議で死んでみせたところで、所詮感性の無い人間というのは精神的ダメージを一切受けない。こいつらは多少の罪には問われるかも知れないけど、未成年だし自殺だし、重い罪にはならないでしょう。心の底から憎たらしいが、これがふてぶてしく生きている人間と自殺を選んだ人間の現実なのか?と思いました。


人間は誰でもいつかは死ぬ。死ぬ事は特別ではないし、死を選んだところで、それは英雄的な選択でも悲劇的な選択でもなく、本人はもちろん消えていくし、いずれみんなも忘れて元の生活に戻っていく。だったら引きこもりでも家を出るでも何でもいいから全てを経験として生き続け、やがて訪れる死を待とう。そう歌う森山直太朗の曲は、紛れも無く生きるための応援歌だ。