下品はいいけどゲスにはなるな。

赤塚不二夫さんからタモリさんへの教えだそうです。(文藝春秋10月号より)
松尾スズキさんの日記に「ついにコンビニのカレーに手を出してしまった。」と書いてある。私でよければカレーくらいいくらでも作るのに、弓子夫人*1の如く。まぁ、カレーが食べれれば誰のでもいいってわけじゃないんだろうな。


本題。
私は爆笑問題太田光さんが好きなんだけど、最近は、「好きだった」と過去形の言い方に変えようかと思うくらい太田さんの言葉に嫌気がさす瞬間があります。あの「ふざけんなよバカヤロー」という言葉を耳にする度、自分の心にモワッとストレスめいた不快感が芽生える。基本的には好きで、今だって「やっぱり太田さんは面白い!」と思う事もあるのですが。


バカヤローという言葉も使い次第で、大橋巨泉さんのように愚かだけど可愛い無知な子を叱るように使う人もいれば、ビートたけしさんのように親しみのこもったものもある。だからたけしさんに「バカヤロー」と言われると、何だか嬉しくなってしまうと思う。だけど太田さんのは、本当に怒りがあったり、何か論理で追い詰められて、最後の悪あがきのように無駄に吐いているような感じ。「じょーだんじゃねぇよ」とか。


巨泉さんやたけしさんが「バカ」という言葉を接続詞というかオツマミ的に使用しているのと違い、太田さんは「バカ野郎」という言葉がメインになっている。ボギャブラリーの少ない若者が喧嘩で苦し紛れに言う「ぁんだよ〜、ゃんのかコノヤロー殺すぞボケェ!」と一緒。


太田さんの口癖で「バカヤロー」「じょーだんじゃねぇよ!」の他に「言ってみれば〜」っていうのがあるんだけど、その前にもうとっくにダラダラと喋っているし、「要するに」って言ってもその後全然要してない。軸にはちゃんと根拠のようなものがあると思うんだけど、最近はすぐヤケになって、茶化したり簡単に否定したりでそれを伝えようとしていない。普段そうやって言葉を無駄に使って、思っている事をちゃんと伝える訓練をしていないから、いざ本当に伝えたい事ができた時に遠回りしたり、余計な言葉をくっつけたり、例え話を持ち出してきて話が長くなったりしてしまうんだ。日頃文字を綺麗に書いていない人が、いざちゃんと書こうとしても書けないのと似てる。ある意味、普段大切にしていない言葉たちに復讐されてるみたい。

*1:イチローさんの嫁