兵に思考はいらない

時間が過ぎてしまったけれど、早すぎる麻生内閣中山成彬国土交通相辞任について。
・中山国交相辞任 節度を欠いた発言だった(9月29日付・読売社説)


日教組について批判した事がとりわけ大きな問題になっているけど、私も日教組については、文句なく素晴らしい組織というわけでな無さそうだとは思います。といってもちゃんと調べてそう思ったのではなく、男の浮気を見抜く女の勘のような漠然とした印象。


私は以前、夜回り先生こと水谷修さんが出ていた討論番組を見た事があるのですが、その番組に日教組の森越康雄さんという方も出演していたのです。話題が今の日本の子供の成績が過去に比べて低下しているという点に及んだ時、その日教組の人は「でも、成績が上位の生徒はちゃんと成果を上げているから大丈夫。」というような事を言ったのです。相当昔の話なので、口調などは正確ではありませんが、一部の優秀な子さえちゃんと教育されていればいいじゃないかと言っているように私は感じて、教育者でありながら教育の偏りを推奨する人間がいるとは!とテレビを見ながら憤ったのをよく覚えています。これだから今の二極化の世の中になってしまったんじゃないか。一部の、教育を受けられる環境(政治家の家庭など)に生まれた子だけが、うまく生き延びる知恵を授かり得をする世の中に。


こんな事があったから、私は日教組ってあまり好きではないんだけど、それを踏まえた上でも、先日の中山成彬の発言には賛同できません。


それは、

中山氏は、成田空港整備の遅れについて、「ごね得というか、戦後教育が悪かった。公のためにはある程度自分を犠牲にしてでも、というのがなくて、自分さえよければという風潮の中で、空港拡張もできなかった」と述べた。

という点。
まず、『公のためにはある程度自分を犠牲にしてでも、というのがなくて、自分さえよければという風潮』などと成田の農民について批判してるが、国がこんなに財政が逼迫していて赤字だらけなのに、自分達の給料を一切減らそうとはせず、消費税を上げたくて必死な国会議員に言われたくない。まず議員として先頭きって自分達の給料を減らして、国のために犠牲になってから人の事を批判しろと言いたい。


それに、中山氏が国交省大臣として成田空港整備について質問されたから成田空港建設反対派を例に上げるのは仕方ないと思うけど、その後国交省大臣という立場から離れてからの発言でも、日教組が国に逆らうような教育をした事について批判はするけど、今女性やこどもやお年寄りが平気で犯罪のターゲットにされているこの現状を嘆く言葉は一言も聞かれなかった。結局は政治家が自分の思うように国民を誘導したい時に、人間が個人として好きに生きる権利を主張してくるのが厄介なだけなんだなと思った。戦争に行けと命じれば戦地に赴き、戦闘機に爆弾を積んで敵めがけて突っ込めという作戦を提案すればそれに応じる兵士が揃っていなければ困るってだけの話だ。戦時中に国が兵隊にさせた事は、今で言う自爆テロと同じだよ。


最初に書いた日教組の森越氏の発言と先日の中山議員の発言と比べると、森越氏の考えは中山議員が苦々しく思う日教組とはタイプが違いますね。森越氏は割と中山氏寄りかも。まぁ中山元大臣が日教組をぶっ壊すまでもなく、もう日教組の威力は弱まっていると思う。天下り団体のためのTaspoが導入されればすんなりそれに従い、地デジに移行するとなればそれを受け入れ、究極にはおバカブーム。政府の方針にごねるなんて忘れたかのよう。既に自民党好みの国民に仕上がっていると思います。