水曜日の夜はダブル宏

夜9時からTBSの『水曜ノンフィクション』を先週に続いて見てみました。先週はキューバ危機とかやっていて、どうでもいい話題ではないのはわかるけど、何故今!?とちょっと思ったんだけど、今日の内容はとても興味深く良い内容でした。


番組HPより
MBSTBS

第1回 いまどきの学生気質

みどころ
太平洋戦争末期、戦況が悪化した日本軍は、それまで勉学のために徴兵を免除していた学生にも徴兵をかけることになった。これが学徒動員だ。多くの学生たちは国を信じて勉学の途中で戦場へ向かった。
 終戦から65年が経った今、学生たちはどのような日々を送っているのか。戦後、再出発した日本の学生たちが直面した現実とは。今、若者は何に悩み、何を思うのか?現代学生気質に焦点を当てる。

【司会】
関口宏

【進行役】
根本美緒
枡田絵理奈(TBSアナウンサー)

【ゲストコメンテーター】
姜尚中
雨宮処凛(あまみやかりん)

68年前の戦争中、およそ40年前の学生運動、そして現代と3つの時代の学生を比較・検証していた。戦時中の学徒出陣のVTRは、本当はもっと言いたいことがあったんだろうなと思いました。急に学生達が兵士として育ったわけではなく、本音の部分では出兵したくないと思っていた人もいた。だけど、それを忘れるくらいにあの競技場での出陣式でうっとりと陶酔してしまったのか、そこに至るまでの政府や軍の意識操作を具体的に体験した方々に伺いたいです。


戦争映画などでも、泣ける話ばかりでその点を暴くものはなく、何か釈然としない。今戦争に行けと言われたら、きっと多くの若者は断るし、無理矢理戦地に連れて行っても役に立たないと思う。それは68年前の若者だって同じはずだったと思う。だけど、普通の学生が急に「お国のため」と一人の立派な兵士に変わるのは難しい。じわりじわりと見えない形で戦争の空気に巻き込んでいった背景をぜひ知りたい。


次に取り上げたのは大学生の時に学生運動が盛んだった時代。私はこの世代ではないけれど、当時のニュース映像を見て、今のこの人たちを見ると、本当にただの奇麗事を叫んでいただけなんだなーとわかる。論理が奇麗事なのではなく、大人にあーだこーだと要求しながらも、実は自分のポリシーとしてそれを主張していたのではなく、指導者的な人物の言う事を鵜呑みにして踊らされていただけみたい。だから中心人物の逮捕により魔法が解け、さっさと社会の一部として組み込まれていった。


うっとりと学生運動に酔狂していた部分では戦争に参加した若者と、意識の流れは似ているのかも。でも、こんな中途半端な人たちに「我々の頃は学校と闘ってきたが、今の学生は大人しくなった。」とか言われたくねぇ〜。


ゲストの雨宮処凛さんという作家が「この時の敗北が、政治の話を語るのはかっこわるいという風潮として今の若者の中に負の遺産として残されているのではないか。」と言っていました。この発言はこの後放送された久米宏さんの番組に偶然にもつながっていきます。


最後に現代の学生。あくまでアンケート結果をもとにしているので、もっと個人個人では特色があるんだろうけど、お金の使い道はブランド品とか車とかにはあまり興味がなく、貯金が一番多かった。一時期は終身雇用よりも転職志向だったけれど、今は再び終身雇用を希望する人は増えている。冒険よりも安定。空気を読む事には人一倍気を使っている・・・という特徴。繰り返しますが、これはアンケートで一番多い結果をまとめているだけなので、これに当てはまらない人も沢山いるとは思います。


話はちょっと脱線しますが、「空気を読む」とかって、同じ世代や同じ種類の人としか顔をつき合わせていないからなんじゃないかな。世代が違えば文化も違う。噛み合わなくて当たり前。その噛み合わなさを、会話などで補っていくのが人間関係だと思うし、人間関係の面白みだと思う。最初から会話の流れが決まっていたら、何かテーマの決まった芝居を演じているのと同じじゃん。そんなのつまらないし、だったら一人でいた方が良い。お礼を言えないとか挨拶ができないとか、そんなのは空気ではなく礼儀。礼儀は大切だけど、空気を読む必要はない。大体、人間なんて不完全な生き物が空気なんて読めるはずがなく、自分は上手く空気を読んでいると思うのは思い上がりだい。


話は番組に戻りますが、今はいわゆる格差が激しく、新卒で入社できないと、もう正社員として登録される事が著しく難しくなってしまう。だからこそ一生の会社として慎重に選択する学生や、学生が立ち上がり雇用改善を訴える団体も増えているんだとか。ゲストの姜尚中さんが「ここに登場している若者はまだいい。大学に行けない人も沢山いて、そっちはもっと深刻。」とコメントしていました。


次の番組。10時からのもう一人の宏が司会を担当する新番組、『久米宏のテレビってやつは!?』。こっちは違う形で攻めたねー。生放送ではないんだろうけど(当日の数時間前に収録?)、すんごいハラハラしました。


メンバーは週替わりなのかな?とりあえず今日は噂の上杉隆さん、不肖宮嶋茂樹さん、市川海老蔵さん、森永卓郎さん、杉田かおるさん、カンニング竹山隆範さん、そしてここでも姜尚中さん。2時間目かい。あと、仕切りに八木亜希子さん。


内容はさっきの関口宏さんの方の番組に比べるとそれほど重要な事はなく、旬なニュースをみんなで語るというものでした。ただ、出演者のコメントが最近のキー局のテレビには見られない感じ。本当はもっともっと言える世の中になって欲しい。特に政治に関しては。本来は政治に暗部がある事が間違っているのに。


上杉隆さんってラジオでよく声は聴くんだけど、こういう顔をしていたのか。麻生総理について、「吉田茂が孫の麻生さんに1000万円(だったかな?金額は私の記憶違いの可能性もあります。)渡して、これで祇園で遊んで来い、と言ったらしい。だから(独身を楽しんでいたから)麻生さんは40歳過ぎまで独身だった。」とか、今までのキー局のテレビでは聞けないような話が多かった。


市川海老蔵が遭遇した記者で、一見すると赤ちゃんを連れた親子が、こっそり海老蔵の写真を撮っていたので、それに気が付いた海老蔵が注意をしに行ったら、その親子連れを装った記者が赤ちゃんをつねってわざと泣かせて、何の事?あなたのせいで赤ちゃんが泣いちゃったじゃない、と言い返して来たそうです。酷いね・・・。これがせめて政治関連ならまだしも芸能人・・・。


ゲートウェイだっけ?留学を支援する会社が倒産したニュースで、被害者の一人に取材したVTRで、カナダへの留学を夢見て会社勤めをして貯めたお金を全部ゲートウェイに持っていかれたという女性の話で、その女性は「人生が奪われた」と話していたんだけど、その金額が130万円だったので、きっと海老蔵やら久米宏やらは「え?この程度の金額で?」と思ってるんだろうなーと思いながらVTRを見ていました。久米宏にとっては1回分のギャラじゃないの?ザ・格差だね。もちろん私にとっても130万は大金です。


最近、ビートたけしさんのボケにカリカリとしてマジなリアクションしかとれない安住紳一郎を毎週みているせいか、この番組での久米宏さんの対応はさすがだねーと思いました。色々な人がいるから、結構話が脱線するし、明らかに横槍を入れる人もいるんだけど、久米さんはそれを注意せず、一度その話題に乗っかりつつ話を元に戻すのです。久米さんはニュースステーションを始めた理由として「もっとみんなが気軽に政治の話をして欲しかった。日本人って本当に政治の話しないでしょ。」と言っていた。ここで雨宮処凛さんの話にやっと戻るんだけど、これが全共闘世代の残した負の遺産なんでしょうかね。


最後に余談。どういう話の流れかは忘れたけど、番組中に姜尚中さんが「おっぺけペー」と言おうとして「ぺっぺけぺー」と言い間違いしていたのが面白かった。しかも「ぺっぺけぺー、あ、おっぺけぺーでしたっけ?」と自分で訂正してた。