『チーム・バチスタの栄光』と『ブラッディ・マンデイ』

今週の『チーム・バチスタの栄光』と『ブラッディ・マンデイ』の感想。
チーム・バチスタの栄光』は再び展開し出しました。うーん、やっぱり面白い。主人公の役が伊藤淳史さんで良かった。何故なら、最後の方のシーンで氷室先生を突き落とした犯人がわかった時、普通のドラマなら、あの手術用糸を犯人の眼前に突き出して「証拠はあるんだ!白状しろ!」となるけど、このドラマでは主人公は泣きながら犯人に「違うよなぁ?」と願うような言葉を掛けていた。あんな台詞が嘘っぽく偽善的に聞こえず、思わず見ているこちらまでホロリとさせられてしまうのは、ここに至るまでに、ぐっちはこういう台詞を言ってもおかしくないような人だと思わせてくれた伊藤淳史さんの演技力が大きいのかなと。なんだか生意気な言い方ですが。


宮川大輔さん演じる鳴海先生は、今週は不気味さは無かった。ビルから氷室先生が落ちてきた時にはさすがにうろたえていたので、人間らしさを垣間見た気がして安心しました。なんだかリアルな表情でしたよね。


伊原剛志さん演じる桐生先生が鳴海先生がいないと上手に手術ができないのは、切除する場所を見つける天性の勘が鳴海先生の方が優れているからなのかい?と最初は思ったけど、最後に白鳥が桐生先生の真似をしてぐっちのコーヒーカップをわざと間違えて掴んだ所を見て、桐生先生が喫茶店カップを間違えて取ったのは視力に大きな問題があるのか?と思いました。脳外科医を訪ねている所を見ると、もしかして脳に腫瘍があって視神経に影響を及ぼしているとか・・・。


ブラッディ・マンデイ』第9話の感想。
松重豊さんがついに死むー!と落胆していたけど、以外と早く回復。なんかアッサリ戻ってきたなぁ。生還は嬉しいんだけど。


吉沢悠さんがやっぱり今週も頼もしかった。3週連続となると、やっぱり婚約者を失ってから何か生まれ変わったとしか思えない。ビデオで録画している人がいたらぜひ確認して頂きたいのですが、最初の方って同じように指示を出していても、こんなにしっかりしてませんでしたよね?私はビデオを録画していないので残念ながら記憶を辿るしかないのですが、最初の頃は指示を出していても「ごっこ」というか、力みすぎて板についていなくて、私はそれを演技力不足によるものだと思っていたのですが、それは誤解でした。むしろ板についてない感じが演技だったなんて!


嶋田久作さんは怖いねー。何をしでかすかわからない威圧感がある。この、「何をしでかすかわからない感じ」が、Jを演じている成宮氏の演技には全く感じられない。やっぱ城田優さんが良かった。実行犯の男の人2人にもあんまりリアルさを感じなかったなぁ。犯行前日にホテルにチェックインする場面で、歩きながらニヤリと笑う場面があったけど、いかにも「歩きながらここを過ぎる時にニヤっとして」と指示されてそうしているんだなーってわかっちゃって冷めたし、バスで犯行に及ぼうとしていた実行犯役の人の笑い方もわざとらしくて冷めた。冷めっぱなしの犯行シーン。あ、でもタクシーに乗っていた女性2人は良かった。


あとこれは台詞の問題だけど、こういう犯行をする人が一々「神」を持ち出すのが解せない。結局自分の行動を正当化したいために勝手にこじつけているだけで、仮にこういう人達に「神様が犯行を止めろって言ってるよ」と言っても、「それは神の言葉ではない」とか言うに違いないんだから。


このドラマは、展開の速さやハッカーの攻防の場面など今までのドラマになくて面白いんだけど、人間ドラマの部分になると途端に色褪せる。何故人間ドラマの部分に説得力がない(感じない)のかと言えば、それはやっぱり役者さんの演技力によるものが大きいのでしょうか。誰の父とか弟とか妹とか言われても、彼らに画面には映らない部分での人生や背景を見出せないから、それはただの称号でしかなく、それ以上に興味も抱けないし感情移入もできない。医療の面だけでなく、人間ドラマを含めて面白い『チーム・バチスタの栄光』とはこの点で大きく違う。