歪曲

こっち本題で前置き程度に終わらせるつもりがつい長くなったので、別記事にしました。
本題。
先日教育テレビで放送していた、
ETV特集『女たちの地上戦 〜沖縄 埋もれた録音テープ 150時間の証言〜』のビデオを見ました。


番組HPより
沖縄戦の惨劇を、200人以上の人々が赤裸々に証言した録音テープが見つかった。まだ戦争の記憶が生々しかった1960年代に収録された沖縄戦の聞き取り調査の録音テープだ。その多くは、ワカメ状に変形していたが、特殊な溶剤を使いアイロンを使い一つ一つ手作業で修復され、失われていた声がいきいきと甦ってきた。


録音テープの中でも特に凄惨な体験を語っているのは戦場に取り残された女性たちだ。自らの手の中で我が子を餓死させてしまった母。野戦病院で負傷兵に毒を飲ませたと告白する看護婦。そして、日本兵によって家族を殺された女性。戦争が終わっても女たちの苦難は続いた。アメリカ兵による暴行事件が頻発し、さらに収容所では伝染病や栄養失調で家族が次々と亡くなっていった。


重い録音機を担ぎ、激戦地の家々を訪ね歩き記録された証言。何度も足を運ぶ担当者たちの熱意で、多くの女性たちは、それまで誰にも話した事のなかった戦場での体験を語った。


それまで、沖縄戦の記録は、軍人や軍の行動を中心に語られてきた。この記録は沖縄で最初に集められた「住民の戦争記録」であり、それまでの愛国美談一色だった沖縄戦史観を大きく変えた貴重な史料なのだ。


最も弱い立場であったがゆえに、凄(せい)惨な体験をした女性たちの証言が記録されていた録音テープ。 番組では、これまで一度も公開されていなかった未公開録音テープを元に“女たちの地上戦”を描く。



沖縄縣史(おきなわけんし)に沖縄戦記録を載せるために、沖縄で戦争を体験した人々にインタビューした時の音源テープで、テープの数は88本、150時間に及び、1960年代後半から5年にも渡って聞き取りをしたものだそうです。


最近は田母神氏みたいな、国家のためなら国民一人の命くらいしのごの言うな的な人が増えていて、そういう人から見れば、こんな個人的な小さい出来事でいかにも日本軍が悪いみたいに言うなとか反論するのかも知れない。でも、起きた事は起きた事なのに、それに真正面から向かいあわず、無かった事にしているから未だに戦争の火が消えていないんだろうと思う。


この様子は沖縄縣史第九巻に収録されていて、執筆と取材は作家の宮城聡さんが中心に行ったそうです。沖縄縣史第九巻に書かれている宮城聡さんの言葉

われわれが
自らの心を戒めていたことは
自分自身の希望的考え方
自分自身の
思想傾向等によって
真相を微塵も歪曲しては
いけないということであった