スポーツとナリョナリズム

結局放送は見なかったんだけど、女子フィギュアはキム・ヨナ選手が女子初の200点越えで優勝したようですね。銀メダルを穫ったカナダのジョアニー・ロシェットもこのところ調子が良いですね。アジアばっかりだと世界的に盛り上がらないから、ヨーロッパ勢が強くなると嬉しい。フランスの会場とか客席がガラガラの時があるもんね。


浅田真央選手は4位だったけど、たまにはそんな事があっても私はいいと思います。真央ちゃんが努力している事には変わりないので、それが今すぐの結果には出なかっただけの事。先日放送していたNHKのドキュメント番組(『スポーツ大陸』)で、「普通の高校生活に憧れたりしませんか?」という質問に、きっぱりと「いいえ。」と答えた浅田真央選手に、強い決意を感じました。自分のやるべき事がちゃんとわかっているし、甘えがない。あの年齢でそれが見えている人に対して、外野である私たちが口を出せる事は何もない気がします。


それよりも気になったのは、やけに日本のマスコミが「日韓」を煽る報道をしてくる事です。サッカーに始まり野球ときて今度はフィギュアですか・・・。なんか、フィギュアスケートのような、本来は優雅なスポーツに対して、そんな風にスポーツとは関係のない感情を織り交ぜて、万が一観客同士が乱暴な応援合戦を繰り広げるようになったら、欧米の観客からひんしゅくを買いそうだし、しまいにはアジアの客が閉め出されたりしそうで心配です。キム・ヨナ選手は凄く綺麗な演技をするのに、そういうの無視して「憎き宿敵、韓国選手め!」みたいな目でしか見られない人はフィギュアスケートを見ないでと心の中では言いたい。


韓国が挑発してきても、日本はスマートにさらりとかわすようでなければ。今の日本は、3年前のWBCイチロー選手が「向こう30年は日本に敵わないと思わせるような試合をしたい」という発言に過剰反応した韓国と同じ状態だと思う。あの発言は全く悪気は無かったと思う。例えばイチローが韓国ではなくアメリカに対してああ言っていたとしてもアメリカは怒らないだろうし、それを客観的に見た韓国だって「イチローアメリカに対して何て侮辱的な発言をする奴なんだ!」とは思わないだろうと思うんだけどね。


そういえばWBCの韓国チームの監督は、最後にイチローと勝負したのは、韓国に対して悪い発言をしたイチローを懲らしめたかった、と言っているらしいけど、それはきっとこの「向こう30年」発言が発端だと思う。それが無ければ、敬遠していたかも知れないのかー・・・。という事は、今回のWBC決勝での演出をしたのは、他ならぬイチローさんだったという事なんでしょうか。無意識とは言え、少なからずその種を3年前に蒔いていただなんて。演出・主演イチロー、みたいな。


韓国の監督は、韓国メディアがねじ曲げて伝えたイチロー発言を真に受け、復讐心という歪んだ心を持って采配をしてしまった。その結果敗れてしまったのだから、日本の人たちも、マスコミやネットに踊らされて余計なナショナリズムをスポーツに持ち込む事が良い方向に作用しないと知って欲しい。