風に舞いあがるビニールシート

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

NHKで土曜9時から放送しているドラマ、『風に舞いあがるビニールシート』があまりにも面白いので、ついに原作本を買っちゃいました。短編が6話収録されていて、風に舞いあがるビニールシートは最後に収録されています。2006年直木賞受賞作だそうです。


前回のドラマには、難民出身のピアニスト役に、イラン出身のサヘル・ローズさんが出ていました。MXTVファンの人ならこの名前にピンと来てくれるはず。サヘルさんは『モーニングサプリ』から、現在は『ゴールデンアワー』というMXの番組にレギュラー出演しています。


ちょっと前に、同じくNHKのドラマの予告にサヘルさんがチラっと映っていたような気がしたので、「もしやあのサヘルさん?」と思い半信半疑で一応録画して見てみたら本当にサヘルさんが出ていて驚いたんだけど、その時はやっぱり日本語での芝居は少しぎこちない感じでした。


でも、今回のサヘルさんはすごく自然に日本語の台詞を話していて、堂々とした姿は演じている役柄そのものでした。こんなに人の演技力って短期間に変わるものなの?


家が爆撃に遭い、自分以外の家族が全員亡くなってしまったという彼女の生い立ちは壮絶で、戦争を知らない世代の日本人には想像もできない体験をしています。でも、サヘルさんは「私は自分を可哀想だと思って欲しくてこの話をしているんじゃありません。むしろ私は、同じ境遇の人たちの中では幸せです。ただ、戦争がどんなに無関係の一般人を傷つけるか知って欲しいのです。」と言います。こんなに気持ちが強い人に、私の応援など必要のない感じで、むしろ私もっと頑張れという現状なのですが、それでも彼女の活躍している姿を見ると、応援せずにはいられません。


明日はついに最終回。初回を見た時の感動が薄れる事無く、むしろ濃くなっています。主演の吹石一恵さん始め、出演者もみんな素敵。ここ数年で一番好きな、そして印象に残るドラマです。終わって欲しくないよー。


サヘルさんの本です。
戦場から女優へ

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