フィギュアスケート/グランプリシリーズ・カナダ大会
・男子結果
最終順位 | 選手名 | SP | FP | 総合点 |
1位 | ジェレミー・アボット(Jeremy ABBOTT/アメリカ) | 1位(79.00) | 2位(153.99) | (232.99) |
2位 | 高橋大輔 | 2位(76.30) | 1位(155.01) | (231.31) |
3位 | アルバン・プレオベール(Alban PREAUBERT/フランス) | 4位(72.30) | 3位(139.98) | (212.28) |
4位 | ミハル・ブレジナ(Michal BREZINA/チェコ) | 5位(71.92) | 5位(130.40) | (202.32) |
5位 | サミュエル・コンテスティ(Samuel CONTESTI/イタリア) | 7位(67.30) | 4位(134.95) | (202.25) |
6位 | パトリック・チャン(Patrick CHAN/カナダ) | 6位(68.64) | 6位(130.13) | (198.77) |
7位 | デニス・テン(Denis TEN/カザフスタン) | 3位(75.45) | 9位(117.88) | (193.33) |
8位 | スティーブン・キャリエール(Stephen CARRIERE/アメリカ) | 10位(59.40) | 7位(128.91) | (188.31) |
9位 | アルミン・マバヌーザディ(Armin MAHBANOOZADEH/アメリカ) | 8位(65.30) | 8位(121.18) | (186.48) |
10位 | ジョーイ・ラッセル(Joey RUSSEEL/カナダ) | 9位(61.82) | 11位(106.89) | (168.71) |
11位 | ケビン・バンデルペレン(Kevin VAN DER PERREN/ベルギー) | 11位(58.86) | 10位(109.68) | (168.54) |
12位 | ジェレミー・テン(Jeremy TEN/カナダ) | 12位(45.14) | 12位(103.82) | (148.96) |
・女子結果
最終順位 | 選手名 | SP | FP | 総合点 |
1位 | ジョアニー・ロシェット(Joannie ROCHETTE/カナダ) | 1位(70.00) | 1位(112.90) | (182.90) |
2位 | アリッサ・シズニー(Alissa CZISNY/アメリカ) | 2位(63.52) | 4位(100.01) | (163.53) |
3位 | ラウラ・レピスト(Laura LEPISTヨ/フィンランド) | 4位(55.74) | 2位(102.78) | (158.52) |
4位 | 長洲 未来(Mirai NAGASU/アメリカ) | 3位(56.34) | 3位(100.49) | (156.83) |
5位 | 鈴木 明子 | 8位(53.10) | 5位(94.62) | (147.72) |
6位 | アメリー・ラコステ(Amelie LACOSTE/カナダ) | 6位(55.10) | 6位(86.03) | (141.13) |
7位 | シンシア・ファヌフ(Cynthia PHANEUF/カナダ) | 5位(55.58) | 9位(76.90) | (132.48) |
8位 | キャロライン・ジャン(Caroline ZHANG/アメリカ) | 7位(54.58) | 8位(77.88) | (132.46) |
9位 | サラ・ヘッケン(Sarah HECKEN/ドイツ) | 10位(45.50) | 7位(78.90) | (124.40) |
10位 | ジェナ・マコーケル(Jenna MCCORKELL/イギリス) | 9位(47.48) | 10位(76.02) | (123.50) |
11位 | ヨシ・ヘルゲソン(Joshi HELGESSON/スエーデン) | 11位(40.48) | 11位(67.93) | (108.41) |
今回は男子の解説が長野五輪代表の田村岳人さんという人で、選手の心理(ジャンプの変更など)や得点や技の事などを具体的に説明してくれたのですごくわかりやすかった。
ジェレミー・アボットが優勝。前回のNHK杯は5位だったけど、やっぱりうまく調整してくるもんだなぁ。NHK杯でSPは2位だったのにFPで6位になってしまったんだけど、低い得点を見たKiss&cryの席でもアボットは明るかったので何か救われたような気持ちになった。浅田真央選手にもそのくらいの余裕があればいいんだけど、今はそういうアドバイスさえ彼女を追いつめる事になりそう。
アーバン・プレオベールは以前はニコライ・モロゾフさんがコーチをしていたけど、今回はいなかったな。いつの間にか変わっていたのか。
高橋大輔選手のプログラムは良いですねー。特にSPの『eye』が似合ってる。FPの『道』も、今回はそのプログラムの良さがわかって、曲のテーマの背景まで見えたような気がした。色々な番組で耳にタコができるほど「怪我をした事で逆に柔軟性が増して演技に幅が出た」と言っていたけど、本当にそうだなと思った。前々からステップ中の動き(上半身)が滑らかだったけど、今は全身がしなやかで、氷の上を滑っているというよりも、水の中にいるみたいに自由自在な動きをしているように見える。途中でジャンプの着氷が乱れたんだけど、高橋選手は慌てず、笑みまで見せていた。このプログラムでああいう表情をすると、まるでそのミスも実はピエロ的な動きの一つなんじゃないかと錯覚させる。他の日本人選手と違って、高橋選手は演技がうまくいかなくても、演技終了後に露骨に苦い顔をしないのが印象的だった。
それにしても未だに理解できないのは“演技・構成点”。高橋大輔選手と、3位のアーバン・プレオベール選手の間に演技・構成点で約11点の差があるんだけど、そんなに?
技に関しては、回転数や秒数や角度、高さなどかなり厳密に審査されている。その上に演技・構成点の中でSkating Skillsとして技術的な部分を審査されている。演技・構成点にも採点のコツがあって、そのあたりをニコライ・モロゾフなどの名コーチは熟知していると思うんだけど、そうやって「こういう動きを入れれば点数が稼げる」ってなると、結局それをできる選手とできない選手の間に生じるのは技術的な差になっちゃって、最終的には純粋な芸術的な要素の審査ってのは無いのかい?と思ってしまう。基本はスポーツ競技だからしょうがないのかも知れないけど、「そんなに技は無いけど、凄く感動させられたし、会場も盛り上がった!」という選手が全く勝てないのでは、観客としてはとてもシラケる。
これというのも、某国が審査員を買収したのがいけないんだ。自国の選手を勝たせたいというちっぽけなエゴが、結果的に競技フィギュアの演技そのものをシステマチックでつまらないものにするという大罪を生んだ。
女子は中国大会で優勝をした鈴木明子選手が期待されていたけれど、浅田真央選手や中野友加里選手が抜けた穴を、それまであまり注目してこなかった鈴木選手に急に埋めてもらおうと協会やテレビ局が一気にプレッシャーをかけたためなのか、明らかに緊張で固くなっていた。
別に怪我をしたり体調不良だったりしてるわけじゃないのに、同じ人間が同じ演技をしても、こんなに仕上がりに差が出てしまうなんて、精神状態が体にもたらす影響は本当に大きいと思うし、世界のトップレベルの選手たちが競ってその中で最高の結果を出すには、それほどの自分の限界を絞り出しているんだという事を、見ている私達も常に理解しておかなければならない。一度良い結果が出たからと言って簡単に「次も勝って連覇しよう!」とか、周囲が決められる事では決して無い。
そんな中でも鈴木明子選手はファイナルに出場できて良かったですね。真央ちゃんは出場できなかったけれど、私はここで試合を休むのも必要だと思う。