グランプリファイナル/エキシビジョン

遅くなったけれど、グランプリファイナルのエキシビジョンを見ました。


とその前に、先日の日記で「グランプリファイナルの女子フリーの演技内容は盛り上がらなかった。」という意味の文を書いてしまったんだけど、鈴木明子選手のFPはすごく楽しめました。だからエキシビジョンの日に、もう一度鈴木明子選手の演技も放送してくれてありがたかったです。結果がわかった上で2回見ても感動する。久々に現れた、心で踊る選手という感じ。笑顔も自然で、「ここは笑顔を作らないといけないから笑わなきゃ」という感じではなく、心からの微笑みのように見える。


この前ミシェル・クワンの昔のビデオを見てみたんだけど、やっぱりミシェル・クワンの表現力って凄い。いわゆるオーラというものでしょうか。彼女の演技が佳境に入ってくると、風が吹いたみたいに感動がざわーっと波打ってやってくる。技術面で言えば今の選手たちの方がよっぽど上なんだけど。鈴木さんにもぜひこういう選手になって欲しい!


本題。
エキシビジョン。何よりも実況のアナウンサーが情報を沢山持っていて良かった。例えば、ペア2位のホウシン(Qing Pang)/トウケン(Jian Tong)組の演技中に「2005年、前回東京で行われたグランプリファイナルは6位でした。試合後、喫茶店で号泣したそうです。2人で、一生忘れられない経験だったと話していました。」など、このエピソードによって、このペアの絆の深さとか、こういう大きい大会に国の代表として出場させてもらえる中国の選手って凄く才能に恵まれてサイボーグのように鍛えられているイメージが消え去り、とても人間味溢れる印象に変わってくる。余談ですが、中国のペア2組とも、男性がトヨエツに似ているなぁと思った。


安藤美姫選手と織田信成選手のインタビューがあったんだけど、安藤美姫選手のオリンピックに掛ける密かな、でもとても熱い思いが打ち明けられた。織田信成選手はあのインタビューの場では「絶対に金メダル!」というよりは、オリンピック出場が目的だったみたいに思えてしまった。まぁプルシェンコとか出るしねー。でも、男子フィギュアの場合は番狂わせが起こりうるから。それに比べると女子は、転倒やジャンプミスがあっても、なぜか点数が高かったりして、はっきり言って点数の付け方に疑問を感じる事が多い。だって、転倒とかジャンプミスしてたら、演技の流れなどの芸術点が、転ばなかった選手より低くなりそうなものだけど、転んでいなくても回転数が足りないだの、転んだ選手でもスピンやエッジ使いやなんやかんやで追加点が貰えてたり、「そんなの素人の観客(私)にわかるかよ」という目に見えない点数の壁が存在する。だから女子の試合は全体的につまらなくなってきているんだろうな。


そんなやさぐれかけた私を癒すように、もっとフィギュアスケートがわかりやすかった時代の映像が流れた。楽しかったー。キャンデロロのエキシビジョンはリアルタイムで見ていました。まだ子供だった私は、『エキシビジョン』というものが何かわからず、試合だと思って見ていたので、「何てフィギュアスケートの試合って楽しいんだ!」と興奮したのを覚えています。よくよく考えてみれば、オリンピックの競技中なのに、試合ではなくショーの為に一日使えるって他の種目では見当たらないですよね。多分。