一切の利用を禁じて欲しい。

天皇陛下との面会を申請する場合は一ヶ月前に、という慣例を破って、民主党が中国の副主席との面会を要求した事で問題になっている。


私も天皇皇后両陛下は崇高な存在で心から尊敬しているし、天皇皇后両陛下や皇太子、雅子妃殿下のドキュメント番組などがあると必ず見るくらいなので、このニュースを最初に知った時は「ヒドイ!」と憤ったけれど、今のマスコミの取り上げ方を見ると、問題の本質がかなりずれて来ていると思う。


本来の問題は「体調が万全ではない天皇陛下のために、予定は一ヶ月前に。」というルールを破った事で、「相手が中国だから」という事ではない。現にこれまでも、中国だろうがイタリアだろうが、さらにもっと小さい国だろうが、これまでも天皇陛下は面会して下さっていたし、その事が今回の様な大きな議論を呼んだ事は無かった。「民主党とのつながりが強い国だったら、特例(一ヶ月前申請を厳守せず)が通用するというのは、その他の国に対して失礼だ。」という批判ならわかる。でも今の報道(特にテレビ)は、「中国との面会」という点をやたらと強調し、国民に危機感を植え付けているように見える。これが中国ではなくブータンだったら、もっと報道の趣向も変わっていたような気がする。「陛下を利用してブータンのご機嫌を取りやがって!」という声は、今の中国に対するものほど大きくならなかったでしょう。でもそれは本来の主旨からすればおかしな事。本当に天皇陛下の事を思うなら、今のように「政治利用云々」と批判するのではなく、「陛下の体調を最優先するべき。」と言わなくてはおかしい。でも、そんな報道が広まれば、天皇陛下の事だから「私は大丈夫です。」とご無理をなさるだろうから、その声は広めてはいけない・・・という自己矛盾が生じるんだけど。


そもそものそもそもは、天皇陛下をお守りする立場にある羽毛田信吾宮内庁長官がこの特例を許可してしまった事にあるんじゃないか。自分が盾になりきれずに、面会を許可してしまったのに、告げ口のように「実はこんな事がありまして〜」と会見で暴露し、結果陛下にまで嫌な気分を味あわせてしまった。しかも副主席が来日する直前という最悪のタイミング。おかげでこの会見に刺激された単細胞右翼や反民主の人たちのデモに警戒するために警備を強化しなくてはならなくなった。その分の税金返せ。もう許可してしまったんだから、せめて会見が終わって副主席が帰国してからでも遅くはなかったんじゃないか。本来の職務から言えば、羽毛田長官は会見を断固阻止しなくてはならず、仮にそれによって鳩山首相から長官の職を解かれた時にこの事実を発表すれば良かったんじゃないか。実は羽毛田長官は「天皇を守る」という職務を全うできていない。


ドサクサに紛れて安倍晋三が何やら発言していたけど、この人も天皇を政治利用しているような気がする。そしてこの報道さえも政治利用して保守系へアピール。


それから、記者会見で口を尖らせて怒る小沢一郎氏も情けないというか相変わらずだなと思ったけど、もっと情けないのは小沢氏に「君は憲法を読んだ事があるのかね?」と問われ黙り込んでしまった記者。政治記者なら読んどこうよ・・・。仮に読んでいないとしても、「今暗唱できませんが、読んだ事はあります。」とか言っちゃえばいいのに。だっていくら小沢氏だって、どこ箇所も完璧に暗唱できるかと言われればできないと思う。(できたらすいません。)まぁ、次から会見拒否されたら困るし、これが記者クラブの限界ですよね。


天皇皇后両陛下の政治利用はもってのほかなんだけど、さらに私が言いたいのは、皇室の広告利用も辞めて欲しいという事。報道陣の注目を集めるために、くっだらない映画の試写会に招いたり、ロリコン守銭奴の作詞した歌をEXILEに歌わせ、両陛下に聴かせたり、電通に入り込まれ、そういうのを許可している宮内庁もどうかと思う。