霧のようにぼんやりとした物語

熱海の捜査官』が早くも4話目。このドラマは、主演のオダギリジョーさん以外はどういう役者さんたちが出るのか知らないで見始めたので、初回から松重豊さんや岩松了さんやふせえりさん、そしてその直前までTBSでバーテンをやっている少路勇介さんなど、素敵な人々が沢山出てくる度にワクワク感と充実感を堪能していたんだけど、さらに第二話からは、素敵俳優の代表とも言える田中哲司さん登場。ふせえりさんと共に窓から顔を覗かせて微笑む田中さん、面白かったなー。ちょっと前にNHKの『クローズアップ現代』で戦場からのラブレターを朗読していた人とは思えないね。


こんな素敵な俳優さん達を揃えてくれたスタッフさん達へのせめてもの敬意として、このドラマは絶対最後まで見よう、と心に誓った私です。


・・・と、こんなに言っといて何なんですが、このドラマは、小ネタの部分は相当面白いのに、肝心の物語そのものにはあんまり興味が持てない。


ドラマの冒頭で物語の核となる事件が起こるんだけど、消息を絶つ生徒役を演じている役者さん達がまるで知らない人だし、冒頭で消えてしまうものだから、消えた生徒達に何の馴染み(愛着)も持てず、せめて包帯少女が有名なアイドルなのかと思いきや、こちらも初めましての人で、じゃあ何故「包帯少女の正体は!?」とあんなに引っ張ったんだ?はっ!ドラマを利用して売り出そうとしているな!とシラケムードが漂い出した。


本編も、事件が漠然としていて、謎がどこにあるのかもイマイチわからないし、事件の顛末にもさほど興味を抱けない。坂を下って消えたバスが山の頂上にあったというのなら別だけど、湖に沈んでいたという事じたいはさほど不思議ではないし、他の女生徒が行方不明でも、そりゃーどこかにいるんでしょうよ、程度にしか思えない。あらゆる手法でも見ている人を惹き付けたヒッチコックってやっぱり天才だね。


ただ、最初に書いたけれど、出演者が魅力的だし、小ネタも面白いので、ひょっとするとこの先面白い展開になっていくのかも?という淡い期待は抱いています。市長の娘役の人がいいですね。ただの意地悪な女子で終わっていない所がいい。