傲慢が傲慢を傲慢と罵る

昨日チラ見した日本テレビの『ダウンタウンDX』の中で、勝俣州和さんが中尾彬さんとグルメレポートのロケをした時の話をしていました。


チラ見だけに、具体的な内容はあまり覚えていないので、創作も含めて説明すると(だから台詞などは実際のものと随分違うと思います)、中尾彬さんと勝俣州和さんが、次に撮影する予定のお寿司屋に入ると、先にスタンバイしていたスタッフと店主がもめていたそうなのです。(店の人が特に怒っていた様子)


「グルメロケというのは一日に何軒も回るのでタレントがお腹一杯になってしまうから、タレントが好きなネタだけを握って出して欲しい。」というスタッフのお願いに対して、店主は「それはうちのやり方じゃないから出来ない。うちは、こちらが出すものを一通り食べてもらって、うちの味をわかってもらってからお客の好きなものを出すんだ。」という返事で、互いの言い分が平行線になっていたそうなのです。


そんないがみ合いが続く中、時間もどんどん過ぎて行くので、痺れを切らした中尾彬さんが「もういいからとにかく撮影を始めようよ。」と促し、店主の言う通りに一通りネタを出す事にして撮影を始めました。


グルメレポなので、食後の感想を言わなくてはならないのですが中尾さんは一切言葉を発さず、いくらカメラが中尾彬さんに寄っても中尾さんは無言を貫いたそうです。


シーンとした重い空気が漂う店内で黙々とお寿司を食べる中尾さん(と勝俣さん)。いよいよ店主のコースねたが終わり、「こちらの出すものは終わりました。お客さんの食べたいものを言って下さい。」と尋ねてきた店主に対して、中尾さんは例のゆったりとした口調で「ごちそうさま。」と言い、店内を出て行ってしまったのです。


追いかけるスタッフ、汗だくの店主、さらに追いかける勝俣さん、という図だったそうなのですが、そんな勝俣さんに対して中尾さんが「カッちゃんお腹すいたな。うまい寿司でも食べに行こうか。」と言ったそうです。おしまい。


私の説明が下手なもんで、あまりうまく伝わらないかもしれないけれど、この話を勝俣さんは「感じの悪い板前に振り回されたロケ。でもかっこいい中尾さん。」という構図で話していたんだけど、一般社会で生活する一般人の私からすれば、恐らく取材依頼をしてきたのはテレビ局の方なのに、一方的に自分たちの思うように料理を出せというのは傲慢だな、と思いました。


中尾さんたちが客としてこの店を訪れたんだったら、お金を払うのに何故食べたくない食材まで食べさせられなきゃならないんだ!?と思うのは当然だけど、取材となれば、そのお寿司屋は番組を通して公に名前が出るんだから、局のやり方ではなくいつもの自分達のやり方で料理を出したいと思うのは当然だ。そもそもスタッフが取材を依頼した時点で食材の指定など説明しておくべきだったのに。「放送してやるんだから、こっちの言う通りにして当然。」というテレビ局の奢り昂りよ。


勝俣州和さんは好きだけど、勝俣さんでさえその傲慢に気がつかず一方的に店側を悪者にするなんて、芸能人の感覚ってやっぱりおかしい。さすが、黙ってても上着を着せてくれたり、後ろから傘を差して貰ってる人達は違うね、と嫌味の一つでも言いたくなるエピソードでした。