勝っても小沢、負けても小沢。

自民党石原伸晃は「挙党一致と言いながら小沢陣営を排除してワンサイドだ。」というような批判をしているんだけど、小沢一郎を重要ポストに加えたら加えたでまた「影で仕切っている」と文句を言うくせに。攻め方がワンパターン。


マスコミだって、小沢氏が勝つ可能性が残されていた投票前までは、頼みもしないのに何回も世論調査をして「民意は菅総理支持!だから議員はその民意を汲んで投票するべき!」と半ば強制のように連日記事を載せていたのに、実際菅直人氏が勝利して小沢氏を排除したらそれはそれで非難めいた論調。第二次菅政権はあなたたちの提示した民意というものに添った人選をしているんだからいいじゃない。そもそもお手々つないで全員野球(野球じゃないけど)できるくらいなら始めから一騎打ちの代表選なんてやってないし、そういう戦いに勝つっていうのはこういう事なんじゃないの?


私は菅直人氏続投には大反対だったので、異常なまでに菅直人氏再選をプッシュしたマスコミが憎たらしいったらないし、ぬけぬけと今度は菅新政権を批判する記事を書いているのも腹立たしい。(菅直人不支持だからと言って小沢一郎支持でもないんだけど、菅直人氏よりはマシ)


小沢氏と菅氏、どちらを支持しますか?というテレビの街頭インタビューで55歳くらいの男性が「小沢は政治とカネの問題があるから嫌だ。国会の場に出て白黒つけてない。」と発言していた。この国会というのは証人喚問の事だと思うんだけど、証人喚問は白黒つけられる場じゃないんですよ、とその男性に言いたかった。検察が調べ上げても逮捕できていないという事が、小沢氏はこの件に関してはシロだという証明なのに。だって、警察や検察は無罪の人でさえ有罪にしてしまう力を持っている組織なんだから。


仮に小沢氏が証人喚問の場に出てきたとしても、こういうテレビの報道に影響されている人というのはそもそも小沢氏の何が問題なのかもわかっていないから、いくら小沢氏が領収書を提示して身の潔白を証明したとしても、その後のテレビの報道が「小沢氏は同じ主張を繰り返すばかり」とか「どうにも歯切れの悪さが残る」というトーンだったら、「やっぱり小沢はクロに違いない」と思い込むんだろう。


私は小沢一郎氏が代表選に立候補を表明した後も、「そうは言ってもこの人は総理大臣になるつもりはないんじゃないか?」と思っていました。


参議院議員選挙民主党自民党に負けたのに、枝野幸男氏を始めとする陣営が誰一人責任を取らなかった事で、もともと菅政権に不満を抱いていた小沢氏側近達の怒りが暴発し出して民主党が分裂して収拾つかない状態になってしまったので、それを鎮めるために小沢氏は負けを承知で立候補を決めたのかなと思ったのです。正々堂々と戦って負けたら、小沢陣営も黙らざるを得ないから。


だけど、いざ選挙運動が始まってみたら、小沢氏はいつにない笑顔で慣れないテレビに出演し、声を枯らす程の演説をしていたので、どうやら本気で勝ちたくてこの選挙を戦っているんだなと思いました。まぁ結局負けちゃったんだけど、それは一般市民の私からすればわかりきった事だった。小沢氏に「勝てる」という見込みを与えたものは何だったのだろう。