『SPEC』感想

TBSの『SPEC』第一話&第二話を見ました。
まだ物語の枠さえつかめないながらも、細かい所のこだわりや、その謎めいた雰囲気が素敵で面白いなーと好意的な感想を抱いたものの、このドラマと似たテイストの『熱海の捜査官』に最終的に煮え湯を飲まされた記憶が新しい私は、このドラマも心から「このドラマは面白いよ!」と宣言する事に小鳥のように怯えております。ドラマの辻褄を合わせる事が、ドラマを創る人にとって一番の、または何番目かの苦しみだと思うんだけど、そこにあの結末・・・。しかも最終回と同じ日にガイドブック発売って。テレビとカネ。


はっ!あんな過ぎ去ったドラマの事はもういい。『SPEC』の話に戻りますが、W主演の1人、素敵名俳優の加瀬亮さんが、終始コメディに寄り添わずに、このドラマの世界では逆に戸田恵梨香さんの役よりKYなほどに冷めた役を演じていました。普通、真面目な顔でズッコケたりしちゃうけど、このドラマではそれをさせないんですね。


以前にも別のドラマを見た感想で触れたかも知れないけれど、チラっと登場する神木隆之介君のクオリティの高い成長っぷりに再び驚きました。民間療法ならぬ民間論だけど、子役出身って「可愛い可愛い」と言われて育つから、本能的に「いつまでも可愛い子供のままでいたい!」と思う気持ちが働くのか、大人への成長を拒んでしまったかのような子供を引きずった見た目で、童顔とはまた違う不自然な大人になっている人が多い。


だから、大人になっても俳優を続けていたとしても、今現在の個人の魅力と言うよりも、「視聴者が子供の頃を知っているからこその魅力」(孫を見るような)を発揮している人が多いんだけど、神木君の場合はそれが無く、子役時代を知らない人でも「あら、神秘的な少年。」と目を留めると思う。ベタ褒めか。親御さんの育て方も良かったんだろうねぇ・・・と勝手に推測。


物語に関しての感想は、正直まだそんなにグッとは来ていません。茂木健一郎さんのアハ現象じゃないけれど、自分で考えられそうで考えられないような謎解きの答えが明らかになった時って「そういう事か!」ってスッキリするので、番組を見終わった後にもきっと「あ、スッキリした。」といい気分になれると思うんだけど、謎解きは戸田恵梨香さんが半紙を破いて勝手に推理しちゃうし、常識脳しか持っていない私の思考力では、上川隆也さんがあんな動きをしているとは思いも寄らず。置いてけ堀に取り残されている状況です。