俯瞰で物事を見よう

尖閣諸島で中国船が日本の巡視艇に追突してきた件は、ビデオ流出の責任云々のせいで、すっかり国内問題になっている。流出させた保安官はヒーロー気取りか?もし海保をクビになっても、田母神なんとかっていう右系の人と一緒に活動とかすればいいんじゃない?


ビデオを流出させた事よりも、そのちょっと前に公安のテロ対策の情報がネットに漏れた事の方が私は問題だと思うんだけど。だって、ある個人が「情報提供者」として氏名や住所など個人情報が公表されちゃったわけでしょう。今後極秘情報を得るためにも、そういう情報は絶対流してはいけないと思う。


それにしても、警察、検察の取り調べの可視化にしてもそうだけど、大手マスコミはどんな顔をして「国民のために情報を公開すべきだ」みたいな事を言っているんだろうか?だったら記者クラブなんてすぐに解散して、情報を独占するのは辞めて欲しい。


ビデオを流出させた保安官は有罪か無罪かと議論が盛り上がっているけれど、そんな事はそれこそ法律の元に厳正に判断すればいいと思う。なぜ世論を利用して無罪を煽るんだろう。普段、どれだけ世論を判断基準にしてくれた?沖縄の基地に関しても、多くの人は「国外に」と望んでいたけれど、マスコミはあまり取り上げず、むしろ「米軍基地は日本にあった方がいい」という情報を積極的に流し、世論を操作していったじゃん。


私は、やっぱり保安官は公務員なので、その上司に当たる今の内閣が「ビデオは非公開で」と命令したのならそれに従うべきだと思う。組織を統率するには、心情や世論などで判断がぶれてはいけないと思うので。今回のビデオに限らず、全てにおいてそうでなくてはならないと思う。だから、内閣や大臣の方からどんな命令が下っていたのかなど、やはりその辺は裁判で冷静に客観的に判断すればいいんじゃないかと。


このビデオを公開しないという事は、事前に中国と約束をしていたそうですね。これは買いかぶりかも知れないけれど、これを公開しない事で、菅直人首相は外交を有利なものにしようとしていたのかも知れない。何故なら、民主党が野党だった小渕政権時代、金融崩壊が起きて自民党は野党から攻められてもしょうがない窮地に陥った事があったんだけど、当時民主党の代表だった菅直人氏は「これを政局にはしない」と発言して、自民党に大きな貸しを作った事がかつてあったなーと思い出したので。


私は戦争を体験してはいないけれど、本などで読む限り、日本と中国の間に戦争が起きる前に、日本軍が橋を爆破しただの、中国軍が日本軍を攻撃しただのと互いにモメて、それぞれの国内では相手の国が悪いと罵り、徐々に「やっつけてしまえ!」と感情的になっていき、戦争をなんとか阻止しようとした当時の内閣に対して「腰抜け」と世論も攻めるようになり、そして戦争へと突き進んでいったようなんだけど、今の空気ってそれにすごく似ている気がする。繰り返しますが私は当時を知らないので、自分が得た情報でのイメージでしかないんだけど、あまり感情的になって相手国を攻める事で怒りを満足させようとするのは絶対に良い結果を導き出さない、とそれだけは確信を持って思う。