『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』最終回感想

最終回なので初めて番組のタイトル名を正式に入力してみた。最初で最後。


フジテレビの『ありふれた奇跡』を見た時も思ったんだけど、加瀬亮さんのお芝居は、テレビで無料で見られるなんてありがたいなぁという気持ちになってくる。お金を払ってでも見る価値のある俳優。


最終回は『城田優アワー』という感じでしたね。この人、顔が地味と言う訳ではないのに、それどころかむしろ個性的で存在感のある人なのに、知的な青年を演じればそう見えるし、うぬぼれの強いウザいストーカーを演じればそう見える、カメレオン的な所がある。だから雪(雨)のシーンで散々瀬文に悪態をついた後に、直後にやって来た馬場には真面目な青年に戻ったような、前の週までの大人しいキャラとのギャプをもうちょっと見たかった。危険な人が危険な振る舞いをしているよりも、それを完璧に隠している方が怖いじゃん。最終回の城田優さんはまるで『ケープフィアー』のロバート・デ・ニーロのように「ここまでやるか!」という感じだった。


ドラマとは関係ないけれど、城田優さん演じる地居が戸田恵梨香さん演じる当麻に一方的に激しい恋愛感情を抱き、いわゆるストーカーになっていったわけだけれど、彼女を好きだと言いつつ、その思いが受け入れられないとなると怒りの感情のままに手加減なく暴力を振るい、挙句の果てには命まで奪おうとする。実際にもこういう事件は沢山起こっているけれど、これのどこが愛なんだ?と思う。そして恐らく自分の事すら愛せない人だと思う。結局は自分の願いを叶える事が最重要であり、周囲がそれに協力するのは当然だと思っているんだろう。(か?)


そんな最低人間だけどSPECを持ってしまった地居が、途中で何故か津田に変身していたけれど、あれの意味が全くわからないし、もう考える気もしない。将棋に関しては、サトリに撃たれた時の津田が、その直後に津田2号と将棋をしていましたよね。


結局謎の多いままエンディング。最終回に辿り着くまでの回が最高に面白かっただけに、こんな終わり方をするのが残念でならないし、この最終回に関してここまで恐らく全力で頭を悩ませてきたスタッフさんは納得しているんだろうか?この物語の中で生きてきた登場人物のためにも、今回の放送では区切りとして見事な幕引きをして欲しかった。