菅直人が泣いた理由

 昨日に続いて理由シリーズ。(続かない)
 「ただちに健康に影響を及ぼすものではない」でお馴染みのの枝野官房長官の家族が実はシンガポールに避難しているという噂が出回っているけれど、どうやらガセのようです。(本人が否定。)


 確かに、もしかしたら震災前に旅行などで海外に行っていて、震災後に帰国したとかそういう事はあるかも知れないけれど、この最中に家族を海外に避難させるなんて事は、「やっぱり日本は危ないのか!」と国民をよりパニックに陥らせるし、石井一議員が海外でゴルフをしていた事も暴かれているように、例え海外であっても嘘をついて隠し通せるものではないので、海外避難はさせていないと思う。仮に私が枝野氏の妻だとしても、枝野氏に「海外にお逃げなさい」と言われたとしても断ると思う。


 本題。
 今更になって福島の原発メルトダウンしていたと正式発表になった。


 余談というか素朴な疑問だけど、記者やテレビの司会者やコメンテーターは『水素爆発』とか『水蒸気爆発』『再臨界』とか、物の名前で言えば『建屋(たてや)』とか、ほとんど日本語で表現しているのに、何故炉心が溶けて下に落ちてたまる事は『メルトダウン』なんて急に横文字で言いたがるんだろう?以前インフルエンザが世界的に流行した時に、やたらと『パンデミック』という言葉を使いたがった心理と似たようなものだろうか。ジャーン!ついに最終事態!!と強調するかのような。


 でも民放テレビ局は、東電の社員が会見でついにメルトダウンを認めた後も東電に気を使ってすぐには「メルトダウン」という言葉を使わなかったが、NHKが言い初めてようやく民放もそれに追随した。
 「メルトダウンの可能性は低い」など、それまで安全性を強調する時には使っていたのに。


 原子力の専門家は『メルトダウン』という言葉でその状態を表現しないらしいが、でもそういう理由で民放がメルトダウンという言葉を使っていなかったんだとしたら、NHKが使おうと自分達は『炉心溶融』という言葉を使い続けていればいい。


 そういえば、中国の漁船が尖閣諸島沖で日本の巡視艇に衝突した時の映像も、NHKが放送するまで民放は放送しなかった。(自局が先頭きって放送に踏み切るという決断をどこの局も下せなかった。)あー情けない。


 炉心が溶け落ちてしまった事がわかったのに、何故それがわかる以前の工程表と日程が同じなんだ!と怒っている人が多いけれど、テレビに出ない(本当の事を話すので出してもらえない)専門家の方々がとっくに指摘していたように、東電や政府もとっくに炉心が溶け落ちてしまった事は知っていたんだと思う。工程表に具体的にその事を明記していないまでも、その事は念頭に置きつつ工程表を作ったので、今更スケジュールに大幅な変更が無いんだと私は思う。


 というか私は、3号機あたりは水素爆発じゃなくて水蒸気爆発だったんじゃないかとすら思っています。またはそれと同規模の爆発。(学者にとっては「爆発の根拠」が重要だろうけど、市民の私にとっては、何で爆発が起ころうと、一番重要なのは結果。どれくらいの量でどんな放射能物質がばらまかれてしまったのかの方が重要。)


 なぜそう思うのかと言うと、原発が爆発してしまった後の菅総理の「東日本はもう終わりだ」とか「20年は住めない」という発言。


 最近の平田オリザ氏の「汚染水を海水に放水したのはアメリカの指示」や、少し前の鳩山由紀夫元首相の「(沖縄における米軍基地の存在意義が)抑止力は方便」発言についても言える事だけど、マスコミや世論はこういう発言に対して「軽率だ」「なんでそんな事ペロっと言うんだ」という批判の仕方はするけれど、「どういう根拠でその発言をしたのか?」という理由を深く掘り下げない。


 鳩山由紀夫氏の発言だったら「抑止力も無いのに、何故日米の政府は沖縄に基地を置き続けるのか?」と問わなければならないし、平田オリザ氏の発言にしても、後になって慌てて本人は否定したが、誤情報にせよ、それはどこからの情報だったのか?と聞いて欲しいし、そして何より菅直人総理の発言は、どう考えても原発に重大な事故が起きている事を示していると思うのですが。


 ある民主党の政治家によると、爆発のあった数日間、菅直人総理は泣いていたらしい。もちろんずっとメソメソ泣いていたわけではないだろうけど。この事からも私は、ああ、福島原発付近の土地は相当長い間壊滅的な状態に陥るのだろうな、と思ったし、以前にドキュメントで見た、今も立ち入り禁止であるチェルノブイリに住み続けるお婆さんの姿が浮かんだ。日本の一部もそうなってしまうのかと。


 でも、そんな事は私でなくとも爆発があった当日(3月12日)から色々な人が推測していたし、原発の20Km圏内から一斉に逃げ出したマスコミの人達などは推測ではなくかなりの確証を持っていたと思う。


 デヴィ夫人のブログでも、

水素爆で、 外壁が崩れ落ちていたというのに、
東電という テレビの 大スポンサーは、
画面に その姿を さらすことを禁じていた。


アメリカの 衛星写真によって 
その姿が映されたことにより
日本のテレビも 致し方なく放映されたが
私は最初から 水素爆発があったにもかかわらず
健全な白壁に 淡いブルー模様の 建屋が
何日間も 映されるのを疑問に思っていたことを
ブログにかきました。
(2011-03-26 02:26:59のブログより一部抜粋)
http://ameblo.jp/dewisukarno/day-20110326.html

と書かれている。


 それなのにそらぞらしく、「東電や政府は何故今まで黙っていたんでしょうか?」なんて言っているキャスターやコメンテーターを見ると笑っちゃう。共犯者のくせに。