マスコミ評被害

 今回の原発事故でつくづく感じたのは、当たり前のように自分はまともな人間だと思い込み、自分の主張を貫く人々をつかまえて「アイツは変わり者だ」「頭おかしい」「嘘つき」「妄想狂」等々と批判している人の方が、実は現実が見えてないんだなぁという事。自分の都合よく物事を動かしたい人々が“常識”であるかのように発信する情報に頼り過ぎ、真実を見抜く勘が鈍くなってる。


 本題。
 最近テレビや新聞でやたらに『ホットスポット』という言葉を用い「都内のお母さん達が自分達で放射能をチェックするようになった」と報道しているんだけど、『自主的に計測している市民』を取材するんじゃなくて、3月の段階でマスコミ自身がカメラの前でこれをやるべきだったんじゃないの?口先だけで視聴者に向けて「風評被害にご注意を」とか言う前に。


 現に、原発の事故や放射能汚染に関しての「風評被害」(でも本当は実害)の情報源は、原発事故が起きた後に避難区域に取材したフリージャーナリストが現地を自らがガイガーカウンターで測定した結果であって、反対に「風評被害」とか言っていた大手マスコミの記者達は、爆発が起きたら取材どころか一斉に20Km圏内から逃げ出したくせに、残った住人には「安全です」と報道していた。『デマ』を流しているのはどっちなんだと思う。


 以前にも書いたけれど、昨年の猛暑の時は頼んでもいないのにわざわざアスファルトの上で温度計を手に「こんなに暑いです!」とレポートしていた。そして早速今年も。気温なんて具体的な数字を言われなくても肌で感じるから別に不快指数を煽るような事しなくてもいいのに。


 一方で、視聴者が感覚で判断できない放射線の数値は測ろうともしない。マスコミは何故海水や砂浜を自分たちの番組で測定してみせないんだろう?国の情報に信頼が持てない今、その公式発表を検証もなくただ伝えるだけの大手メディアの“自称・報道”は視聴者にとっての存在意義ってどこにあるのだろう?