世界から見た福島

 チェルノブイリ、と聞いた時に、東欧地方に馴染みの無い人間からすると、真っ先に思い出すのは「原発事故」という言葉。日本に住んでいるとそう感じないけれど、今や世界の人々はフクシマと聞いて同じように思うんだろう。


 これほどの大きな事故を起こしてしまった、しかもまだ収束どころか現状の把握も東電は発表していない状態なのに、もう玄海町原発を稼働させようとしている。


 経産省はどうしても突破口を開きたいみたいで、遂には海江田大臣を玄海町にまで行かせた。っていうか、官僚の言われるがまま動いてる海江田大臣って何なの?


 福島原発の事故で身に沁みてわかったのは、原子力発電所の場合、一度大事故が起きたらそれは「町」なんて小さい範囲で被害が収まらないという事。なのに、何故佐賀県知事玄海町の町長だけに稼働の容認を求めるのか?


 玄海町の町長はインタビューで恥ずかしげもなく「地域活性のためにも原発の稼働が必要だ」と答えていた。原子力発電の安全神話が崩れた瞬間を目にしながらも、多額の交付金や地域活性目当てに原発を稼働させ、それで仮に玄海町原発が事故を起こしたとしたら、それでも福島県の佐藤知事のようにそらぞらしく「安全だというから信じていたのに裏切られた」と言ってみせるのだろうか。今度は賠償金目当てで。