さすらうビッグダディ

 『ビッグダディ』の第14弾を見た。強烈すぎる。放送する国によっては行政とか人権団体が動き出すレベルまできてる気がする。ここまで長年の取材となると、資料としての価値もあるんじゃ・・・。


 私は番組のスタートから最新まで全部見てますというほど詳しいわけではないので、知ったふうな事は言えないけれど、最初の頃(奄美時代)は、貧しいけれど家族に笑いがあったのに、14弾では全くと言っていいほど微笑ましい場面が無かったので心配になった。


 再離婚後にも顔写真や電話の声で登場していた前妻の存在が消えていた。さては新たな生活が始まったんでしょうかね。勝手な推測。


 新妻の方は、カメラの前でも相当感情をむき出しているように見えるけど、喧嘩になるとやたらと謎の2階へ行きたがったり、車の中に行きたがったりとカメラを避けるので、怒りMAXの時はあんなもんじゃないんだろうな。これもまた勝手な推測。


 俺は何でもお見通し風に人を小馬鹿にしたような発言をする割に、前妻とできちゃった再婚(最近の風潮だと授かり再婚というのか?)してみたり、できちゃった再々婚(授かり再々婚)してみたり、さらに子供の前で新妻との性生活を連想させるような会話をしてみたり、ビッグダディはボーダーラインを越えちゃった人のように見えるんだけど、ビッグダディが育てた子供達を見ると、まず挨拶がきちんとできているし、会話や行動が活発だし、ご飯もモリモリ食べている(食欲がある)し、テレビを通して見る限りは、そのへんの秩序ある家庭に育った子より人間として逞しく、社会での適合能力もありそうな人間に成長しているので、その辺の子育ては立派だなと思う。


 『ビッグダディ』14弾の中で言えば、家族で野球をしに行く道中で7女(だったかな)が6女(同じく)に押されたと言って泣いていた時に、ダディが「押されたくらいで泣くな!」と怒ったのが、今時になく良いしつけだなと私は思った。


 今は「おーよちよち泣いちゃってどうしたんでちゅかベロベロバー」と親が猫なで声で慰めるのが当たり前になっちゃってるけど、確かに、押されたくらいでビービー泣いて親に助けを求めていたら、この先常に誰かを頼って生きなくてはならなくなる。妹を押すというのは悪い行為なので、そっちも叱った上で、さらに押されて泣いている方にも「そんな事で泣くな!」というのは、自立した人間を育てる上で大事だなと思った。


 まぁ、これはあくまでもテレビで流されたものだけを見ての感想で、細かい事を言えば「父親に本気で反抗する子がいないのが気になるなぁ」とか色々思う事はあるんだけど、ふと冷静に己を顧みると、自分こそ人の家庭に対してあーせいこーせいと偉そうに言える人間では無かった事に気付かされる。


 自分や周囲の家庭を見回しても、回数の違いこそあれ、子供の前で夫婦喧嘩した事のある人、または子供の頃に親の夫婦喧嘩を目撃した人とか、兄弟に暴力を振るって泣かせてしまったが、親に問い詰められ知らばっくれた人なんて世の中に溢れかえるほどいると思う。


 そんな、家族間では半ば当たり前のような光景も、一家族だけに注目して更にその出来事に注目してみると、全ての出来事が子供にとっては大なり小なり影響があるんだなという事がこの番組を見てよくわかった。