羊の皮をかぶったふかわりょう

 今回は浅田真央さんが出ていないから(浅田真央さんが嫌なのではなく、彼女が出場した場合、なんでもかんでも彼女を褒めちぎり、成績の良し悪しに関係なく彼女ばかりを取り上げる番組作りに辟易としてフィギュアそのものまで好きではなくなりつつあった)、久々にフィギュアスケート(今回は団体戦)を見た。ブライアン・ジュベールも調子悪くなさそうで一安心。そして何より日本勢が凄い。鈴木明子選手の好調な時の演技はいつ見ても胸が熱くなり泣けてくる。なぜだろう?


 パーソナルベストを出し1位になった高橋大輔選手の、演技の内容は私が言うまでもなく素晴らしかったんだけど、さらに、高橋選手の点数が出る時に、ライバルであるはずの他国の選手達がKiss&Cryに集まっていたのは感動したな。


 本題。
 MCが逸見太郎さんからふかわりょうさんに代わってからの『5時に夢中!』を初めて見た。(録画を一気に)


 ふかわりょうさんの事は元々好きだったけど、(私にとって)ユルさが魅力の『5時に夢中!』を、芸人さん(自分がメインで喋る職業の人というイメージ)が、しかもメジャーな人(MX目線)が仕切るってどうなのよ!と思っていた。


 テレビで目にするふかわりょうさんと言えば、コメントや面白い事を急に要求された時におどおどして、「この空気どうすればいいんですか?」と焦っている間に出番が終わる人という印象で、『5時に夢中』にゲストで出た時もそんな感じだったし、「ネタは面白いんだけどこの番組の司会はなー。」とも思いつつ番組を見た。


 しかし私の目は節穴だった。逸見太郎さんのほのぼのとした味とはまた別の、コメンテーターのコメントの後に空きすぎず遮らずの心地よい間に様々な言葉を織り込み、それによりコメンテーターの言葉がより面白いものに感じられ、私は番組を見ながら何度も笑った。中瀬ゆかりさんがマイケル・ジャクソンの『スリラー』のPVに顔だけ入り込んだ映像を見た時の爆笑(泣くほどの)には敵わなかったけど、それに近い笑いは何度もあった。


 ふかわりょうさんがこの番組のために急に背伸びして張り切った感じはしなかった。という事は、ふかわりょうさんがいつもテレビで見せていたオドオドキャラは、その場を最適に切り抜けるために弱い羊を演じていただけだったのか。なんだかんだ情けないキャラでいじられつつも、芸能界で20年弱活躍している芸人さんが蓄えてきた基礎力を見せつけられた気がした。