橋下徹という分岐点

 橋下徹大阪市長が、週刊朝日に載った自分の記事に対して「言論の自由は保障されるべきだが、一線を越えている」などと反発し、朝日新聞社朝日放送など関連メディアから記者会見などで質問されても、回答を拒否すると述べた件に関して。


 私は、それが自分に向けられたものでなくても、人の悪意ある言葉に動揺しやすく、かつ後々まで引きずる性格だなと自覚しているので、ネットの掲示版や、嫌な事ばかり書いている人のブログとか、本当の悪人は叩けないくせに、弱い者は徹底的に苛め抜く週刊誌などは極力読まないようにしている。


 だから、今話題になっている橋下徹氏の出自については知らなかった。(電車の中吊りチラシなどでは目にしたけれど、正確なところはよく知らない)そんな状況でこのニュースを耳にした時に、まず「政治家が気に入らない記事を書かれたからといって、その社のみを取材拒否するなんて!」と政治家として不安になる程の懐の小さを感じた。この人が国会議員になった時、こんな事でキーキー憤慨しているような人が例えば日本代表で外交とかできるのか?トラップにすぐ引っかかりそう。


 以前田中真紀子議員が、議員ではない家族の事を記事にされた時には裁判所に差し止め申請をした。このやり方ならいいと思う。だけど橋下氏はこの方法を取らなかった。なんだか、あえて議論を呼ぶ方法を選んだんじゃないかと思える。


 そう考えると、朝日は逆に「じゃあもう橋下や維新の会の事は一切取材も報道もしないよ」という態度に出ても良かったんじゃないかと思う。何をスゴスゴと謝って引っ込んじゃってるんだよぅ。だったら最初から書かなきゃいいのに。なんだか、後の報道界(そんな世界あるのか)に対してもの凄く悪い前例を作ってしまった気がする。