戦争は、忘れた頃にやって来る。

 松本人志さんが好きなので、誘惑に負けて毎週見ている『ワイドナショー』だが、やっぱり内容は良くないな。(私は録画で見ているので今更なのですが、7月6日放送の回。YOUさんなどがゲスト。)


 先週の(私は録画で…以下同文。6月29日の回)視聴者が取り上げて欲しいニュースをツイッターで募集する企画とか、MXテレビのパクリっぽい感じもチラつくし。そして募集しておいて取り上げるニュースは結局無難かつ恣意的なものばかりという中途半端さ。がくっ。


 集団的自衛権の話も、閣議決定が済んでしまってから番組で取り上げたって、後の祭りもいいところだ。万が一集団的自衛権の行使によって日本人が亡くなっても「うちの番組では集団的自衛権に否定的な放送をしてましたよ」と主張するための予防策にしか思えない。毎週思い切った発言をして火傷をしている松本さんが気の毒だ。


 あ、それから、「北朝鮮は核爆弾を発射できる」と軍事評論家の方が言い、出演者の方々が愕然とする場面があったけれど、別に核爆弾なんて持たなくたって、日本は狭い国土上に50基近い原子力発電所があるんだから、普通のミサイルでもそこを狙われ直撃されたら、冷却装置が壊れたり水漏れを起こして原子炉が空だきに状態になって福島原発と同じ事が再び起こってしまうかもしれないし、ましてや原子炉そのものが吹き飛ばされ放射性物質がむき出しになったら、被害はその比ではない。ヒロシマナガサキ原爆のようにピカドン!と一瞬にして広範囲が破壊されるわけじゃないが、結果的に国土は失われてしまうんですよ、と評論家の方には付け加えて頂きたかった。


 それにしても、本当の左翼の人というのがどういうものなのかわからないけれど、まぁ一般的に右翼側の人間が「あいつサヨクだ」と決めつけて言う場合はほとんどが悪い意味だと思う。(それは左翼が右翼を言う場合でも同じ事でしょうが)


 でも、今回の集団的自衛権の行使容認を閣議決定で進めていく事に反対して、右翼側の人間から「サヨク」「サヨク」と揶揄を込めた言い方で呼ばれている人達っていうのは、自分だけでなく、自分以外の人達の事も守ろうとしているんだと思う。将来日本人が戦地に行かされる事のないように。


 逆に、自分は絶対戦地で戦わないくせに、定型句のように「日本人も血を流さねば」などと軽々しく発言して、欧米のご機嫌取りのために日本の男子の命を売っている政治家や官僚や元官僚や御用学者、読売・産経系のマスコミ等々の方がよっぽど右翼に責められるべき立場にいると思うんだけど、なんでその辺を冷静に考えられないんでしょうね。


 「あなたたちを将来戦争に巻き込む事はさせないよ!」と目の前に立ちはだかってかばっている人に対して「出た!平和ボケ!」とか言ってるようなものなんだけど、本当に平和ボケしてるのはどっちなんでしょうね。右翼の人ってのは日本国民でありながら、有事の際でも自分だけは兵役が免除されるとでも思ってるんでしょうか。それとも、当面は戦闘地に行かされるのは自分ではなく自衛隊員なので構わないと思っているのでしょうか。


 でも、この行使容認の閣議決定によって、将来日本の男子が日本とは直接争っていない国との戦いに参加させられる事は確実です。だってそのための集団的自衛権であり、そのための解釈変更なんだから。今まで通り、お金や基地の提供だけでいいなら、こんなにもめてまで、わざわざ解釈の変更なんてする必要は無かったのだから。


 それにしても、欧米のご機嫌取り連中は簡単に血を流す血を流すというけれど、最近の日本の戦争映画みたいに顔をススか何かで黒くして、額や頬をちょこっと擦りむいたような状況を「血を流す」って言ってるとしか思えない。腕や足がもぎれたり、内臓が出てしまった状態だったり、そうやって亡くなった人達の体からウジがわく横で地面にたまった雨水を飲まなくてはならない状況に自分は耐えられるんだろうか?人にやらせるだけなら、そりゃーどんな事でも「やる」と言えますよね。


 こんな政府を持ってしまった今の日本は不幸だなと思うけど、この政府は「国民が自ら選んだ」結果ですからね。特に選挙に行かなかった人達。「誰に投票しても同じでしょ?」なんてヘラヘラと言い訳して選挙権を放棄した人達。本当に「誰に投票しても同じ」だったのかよく考えてもらいたい。あなた達の大切な家族が国に奪われる前夜にでも。