渡りに朝日

 コンビニコーヒーがまた安さを売りにし出したが、フェアトレードと逆の流れに行ってる事が残念。コーヒー豆農園で働く人々は、この安売りのおかげで低賃金で働いているので、重労働でも自分の子供を学校に行かせられなかったりしている。


 本来なら廃棄するような失敗豆を使って煎れたコーヒーなら安く売るのも納得だけど、品質のいい豆まで買い叩くんじゃないよと企業側に言いたい。また購入する私達も、品質に見合った価格を払うのは当然だ、と意識を変えないといけない。


 日本の子は、買おうと思えば自分のお小遣いですらチョコレートを買える子が多い(そのくらい手頃な値段)けれど、カカオ農園で働く子の中には、チョコレートを見た事すら無い子もいる。


 本題。
 朝日新聞誤報した件を色々な媒体が非難している。そーですよねー。朝日新聞以外のマスコミ媒体は、過去に誤った報道や世論操作のための報道を一切行った事がありませんからねー。他社のそういう行為を、鬼の首を獲ったかの如く声高に非難する権利は充分にありますよねー。


 なんかここ数日の報道を見ていると、(STAP細胞デング熱盲導犬全盲の少女に対する暴行、ASKA関連、江角マキコさん、そして朝日新聞問題等々…)あまりにも内向きで報道の仕方もヒステリックで強引すぎて、何かから目を背けようとしているとしか思えない。だってワーワーと報道するわりに、ASKAさんの愛人の人が働いていたパソナの怪しい接待についてとか、吉田調書の中の「補助冷却装置が造られていればこんな状況にはならなかった」という一文が、政府が公開した時には黒く塗りつぶされていた事などは報じない。


 「朝日新聞の報道は日本の評判を貶めた国際問題だ!」と、幼稚でゴマスリのおだてに乗り易いボクちゃん総理を始めとする売国(米国に日本の財産や国民が平和に生活する権利を売っている)政治家達が騒いでいるんだけど、たった一社の新聞記事がそこまで強固な国際世論を形成するかね?もしそうなら、朝日新聞の影響力の凄さをある意味認めている事になる。(ちなみに私は朝日新聞を一度も読んだ事はないので朝日読者でも朝日ファンでもない。)


 朝日新聞の報道は、国内世論を喚起したものである事は間違いないが、国際世論に大きく影響を及ぼしたかといえばそれは首を傾げざるを得ない。朝日の記事で当時の自民党慰安婦問題で謝罪の動きを見せざるを得なくなったと主張したいのかも知れないが、そんな力は一社の新聞社には無い。(全ての新聞社がスクラムを組めば別だが)


 現に、毎日新聞の記者が沖縄返還の際にアメリカとの間で密約があった事をスクープし、それはあとになって真実であった事が証明されたわけだが、日本の政府は一貫してそれを否定し、一般世論的(情報の受け手側)には無かった事にしてしまった。このように、国が本気で隠蔽したいと思えば、真実ですら嘘になる。なのに慰安婦の件に限っては、朝日新聞の報道するがままにそれを認める河野談話まで出しているが、国は何故一新聞の報道を再検証する事をしなかったんだろうか?この当時はまだ実際に戦争を見てきた政治家が自民党にもいた。『吉田証言』は嘘だったが、戦地の状況をその目で見てきた議員達の記憶と照らし合わせた時、朝日新聞の記事に書かれていた事については、「まるでデッチあげだ」と一蹴できるほどかけ離れたものでは無かったんじゃないだろうか。そして当時の自民党には、その事をどうにか償いたいと思う、心ある議員がいたのではないだろうか。


 もし安倍内閣や“頭でっかち軍国脳集団”=体験していないのに、自分の主張に都合の良い資料だけを読み、まるで見てきたかのように自信を持って日本の戦争の正当性を語る人々が「慰安婦を利用したのは日本だけじゃない。日本だけが悪いんじゃない。」と本気で思うなら、吉田証言が虚偽だったと朝日新聞が認めた今、河野談話を破棄して、新しい談話を作ればいいのにと私は思う。というか、作らない方が不自然。海外に向けては「河野談話は正しいですよー。だから継承していきますよー。」とヘラヘラ追従しておいて、内弁慶に国内では「あれはデタラメだよ!」と偉そうに主張するのは卑怯だ。本当に間違っていると思うなら、国内でだけ威張っていないで、将来の事も考えてここできっちりと修正した方がいい。