滲み出る権力者の本音

  永六輔さんと大橋巨泉さんが相次いで亡くなってしまった。本当に寂しい。


 2人とも最後まで豊富な経験や鋭い視点で感じた事を巧みな表現で伝える力を失っていなかっただけに、もう2人の言葉が聞けないのかと思うと本当に残念。何か大きなニュースがあった時に「あの人ならどう言うかな?」と気になる人達だった。80代にしてあの冴えた感覚というのは何なんだろう?才能といってしまえばそれまでなのかも知れないが、黒柳徹子さんもそうだけど、感性って持つ人によっては老いる事がないんだな。


 本題。
 障害者施設で殺人が起きた。数を競って「戦後最悪」とか見出しをつけてるのが嫌だなと思いつつも、第一報を聞いた時は「え?この人数で殺人事件ってどういう事?日本で?刃物で?」と混乱した。


 特に安倍政権なってから報道に口うるさくなってるけど、それは稚拙で身勝手な安倍政権らしく、自分達の都合を考えただけの事で、国民にとっての悪影響など微塵も心配していない。


 だから、各報道番組が何の配慮もなく、犯人が訴えていた障害者への差別的な発言を何度も何度も無遠慮に報じても放置している。この報道が人々(特に差別が悪だと認識していない子供)に与える影響を考えて、医学的・社会的な見地から報道を規制してもいいんじゃないか。そして何より、障害を持つ子の親がどんな気持ちでこの報道を見ているか。


 ISISの誘拐事件が起きた時も、何度もISIS側が制作したプロモーションビデオを流していたが、何故犯人が自分を良く見せようとして作った映像をわざわざ流し、本来なら見る機会が無かった人や、見たくない人にまで見せるのか不思議でしょうがなかった。でも本当は、国に言われる前にこういう時こそ各局が自主規制して欲しいんだけどね。


 その犯人の主張の一つに衆議院議長に送った手紙というものがあったけれど、あれだけの具体的な手紙を読みながら、何故犯人を野放しにしたのか疑問だ。あの手紙に一言でも「安倍を殺す」とか「安倍は許さない」とか書いてあったら対応が全然違っていたんだろう。そういえば、以前に厚生労働省事務次官が自宅で殺害された時も、他の官僚たちが怯えきって、警備の数を増やしたんだよね。結局大事なのは自分の命で、国民は犬死かい。テロじゃなきゃ殺されてもいい、なんて国民はいないはずだが。