元愛知県知事加戸守行さんの証言を報じない件

 義家弘介氏の一連の言動は確かに酷いが、この人がヤンキーだった事などを批判するのはどうかと思うぞ。じゃあ政治家の2世3世なら立派なのか?

 本題。
 加計学園の問題で開いた閉会中審査。そこに参考人として呼ばれた加戸守行氏(元愛知県知事)の発言について、「マスコミが歪めて報じている」「そもそも報じてすらいない」等の意見を目にした。

 「マスコミが報じない」という意見には全般的に(何の話題でも)賛成。それは安倍をおとしめるためばかりでなく、報道しない事で安倍が守られている事も沢山ある。特に加計学園関係では、国家戦略会議のメンバーの背後を含め、全ての相関図を事細かにテレビで長時間報じたら、支持率は一桁に下がるのではないか?(今の状態でさえ30%台に下がっているのだから)というくらい加計学園と安倍政権(自民党)の関係は広く深く闇も多い。

 マスコミ(大手テレビ局、新聞)も今は、あまりに世間的に評判の悪い安倍政権を庇いきれずガス抜きで批判的な内容を報じてはいるが、本気で安倍政権が倒れるのは望んでいないんだろうなーと思う。民進党の一部にも自民党と手を組んでいる人がいる。だから自民党民進党の質問なんて恐れてはいない。

加計問題、なぜか報道されない「当事者」前愛媛県知事の発言全容
https://www.j-cast.com/2017/07/11302992.html?p=all

 新聞やテレビもいらぬ疑惑を持たれるくらいならちゃんと報じておけば良かったものを。ちゃんと報じれば「あれ、この人の言ってる事おかしいな」とわかるのに。だって現に、加戸氏が「お友達」発言をした時に、議場が「ざわざわ」っとしたでしょう。あの場にいた人(議員や官僚や記者)はさすがにあの言葉の不味さを瞬時に理解したのだと思う。私は安倍擁護で文句言ってる人とは逆に、ちゃんと報じたら今治加計学園の認可が決定的にポシャるので、テレビが最後のトドメを刺さずにいるのかな?とすら思う。

 と私は深読みしてしまうのだが、おそらく、この加戸氏の主張を取り上げないのは、単純に安倍疑惑の本質である「加計ありきだったのか?」という論点とずれてしまうからだと思うぞ。この人の話をちゃんと聞いたり、過去のインタビューなどを読めばわかるはずなんだけど・・・。

 確かに過去に獣医学会には分厚い岩盤があったのだろう。でも、それと「じゃあ規制を壊して加計学園を建てましょう」という話は別なのだ。

 すごいくだらない話に置き換えると、名作と言われる小説や漫画があって、ついに実写化される事になったという時に、この作品に対して思い入れは強いが演技力も見た目も作品に合わない役者と、演技力も抜群で見た目もキャラクターに合っている役者のどちらを選ぶかとなった時に、何故か大根役者が選ばれ、よくよく調べてみたら大根役者の方は大手芸能事務所所属で、しかも作品の出版社の経営主や作者と個人的なつきあいがあった。果たしてこの大根役者が選ばれた事は正しかったのか?という論点で話している時に、「私はこの作品に熱い情熱を持っており映像化する事は長年の夢でありました。これまで十回以上申請してきたのに、何十年もこの作者と出版社は拒んできたんですよ!!」と大根役者側の人間が騒ぎ出したようなもので、「いや、今その話じゃないんで・・・」と周囲が放置している状態。(学園の疑惑とは次元も立場も違うが)しかも自分で「(権利を持った側と)友人だったから実現した」と認めてるし。


 学校を作りたいと考えている人が日本全国で加戸氏だけならまだ
 「この加戸氏の思いを何とか叶えてやりたい!安倍さんの友人の加計さんが今治に大学建てたいってるから、加計学園の提出してきた獣医学新設に関する資料はたった2枚で、しかもMERS(中東呼吸症候群)のスペルをMARS(火星)と間違えるような不安な学校だし、安倍内閣自ら閣議決定した4条件をクリアしてないけど、加計さんの腹心の友である安倍総理が議長である国家戦略会議で強引に突破させて、加戸氏の長年の夢を実現させましょう!税金から補助金もバンバン払って今治市の36億7千万の土地だって無償であげちゃって、建設費だって今治市の税金から96億円補助して自民党の逢沢さんのイトコが経営する建設会社に他社の見積もりより高い値段だけど請け負わせてあげましょうよ!」
 という大盤振る舞いも許せるのかも知れないが、実際には学校を作りたい(獣医学だけでなく)と奔走している人は沢山いるのに、なぜ加戸氏だけの願いが叶えられたのだ?それは一重に安倍の友人とのコネができたからだ。コネのない京都産業大学でなく加計学園が。

 国民が何か公共的な事をするのに、事務的な手続きだけではそれを成し遂げられないというのはおかしい。政治家とのコネが無くても能力や行政の定める条件を満たしているのなら、政治家とは縁が無くともそれは叶えられる世の中でなくてはならない。なのに、実際には能力もなく条件も満たしていないのに、友人だという事でそれが叶えられようとしている。(それは加戸氏が国会で堂々と証言した。)それが問題だって言ってるのに、加戸氏の熱い思いなんてこの際問題ではないのだ。

 しかも、産経のインタビュー記事を読めば、加戸氏が始めから獣医学に思い入れがあったのではなく、あくまで都市開発事業の一環として学校建設を望んでいたのがわかる。

今治市選出の本宮勇県議が「加計学園が大学を進出してもいいというが、今の天下の状況をみていたら獣医学なんかはどうでしょうか」という話を持ってきたから、飛びついたんだ。
http://www.sankei.com/politics/news/170615/plt1706150006-n1.html

でも、景気対策で獣医学を始めるなら、安倍の「各地に獣医学を」というのは今治的には困るんでないの?結局他の地域に行かれちゃうじゃん。

 文科省文科省で規制をかけすぎた点はあるのだろう。それは改善すべきだがその事と加計学園の認可は別の事。岩盤規制は別で論じてもらいたい。