切り札を簡単に手放す民進党

 コメンテーターの中で、今回の加計ありきの獣医学部新設を批判しつつも最後に「でも総理主導の戦略特区というのは必要だ」という人は信用しない事にしています。こんな結果を生んでおいて、まだ総理や一部の民間人(しかも安倍氏の選んだ)だけで決める特区制度が有効だという印象を視聴者に植え付ける人なんて。


 本題。
 閉会中審査。最初は「加計学園が戦略特区に申請しているのを知ったのは今年の1月20日」と答弁した件や、特区に申請してからも何度もゴルフや食事に行っている(しかもおごりおごられ)との発言を安倍氏から引き出した民進党の議員はいい仕事をしたなぁと思っていたけれど、今日になって、やはり民進党は本気で安倍政権を倒そうとは思っていないのでは?というか本当はグルなのでは?と思えて来た。

 だって、ミエミエの嘘であっても、安倍は大臣規範に引っかからないように日にちを設定していた。おごり・おごられの発言だって、大臣規範に引っかからないように日にちを設定したからこそ発言できた事だ。おそらく、急に質問されたら慎重になって常に割り勘だ、と答えてしまっただろう。しかし支払いはカードで払ったり領収書などを貰っていれば証拠が残るから、嘘をついたら後で追及される恐れがある。だから支払いに関しては正直に答えておいて、「いつ知った」という安倍の頭の中にしか証拠がない答えの方を、閣議決定した事実を訂正してまで1月20日(申請が通った日)に変更して設定したのだろう。

 質問には事前通告というものがあるというが(この辺の事はよくわからないのでトンチンカンだったらすいません)過去の答弁を見る限り、事前通告にない質問でも急に聞いたりした事はあった。今回の日にちについての質問というのは、過去にも他の議員が聞いている質問だし、記憶に関する質問でありデータが必要なものではないのだから、この質問は民進党はいきなり質問しなければ意味が無いのではないか?せっかく安倍を追い詰める事ができたのに、追いかける道順や逃げ道を事前に教えたようなものだ。

 もし事前通告していないのに安倍氏閣議決定を覆してまで大臣規範に触れない日にちを設定できたのだとしたら、民進党のスタッフの中にスパイがいるか、記者の中にスパイがいる事を疑った方がいい。

 民進党の甘過ぎる追及のおかげで、安倍氏はまんまと逃げ仰せた。ミエミエの嘘によりいくら支持率が下がろうとも、どうせ国政選挙はないのだから耐え忍んでいれば良い、くらいに思っているのだろう。でもそれを許したのは民進党だ。