戦争で支持率を買う

 先日テレビで、作家の菅野完氏が性的暴行で賠償金云々というニュースを見て、作家の菅野って誰?と思っていたら、森友学園の問題で注目された人だった。あの自宅前での会見は衝撃的だったな。菅野氏は民事訴訟だが、未だに逃げ回っている山口敬之氏にしてもそうだし、慰安婦問題を「娼婦だったんだ」とか「いつまで謝ればいいんだ」という言葉で片付けてしまう人達も、もっと真剣に相手の人の気持ちになって考えて欲しい。それが想像できないのなら、相手の体に触れるのは100年早いと言いたい。自分の欲求を押し付けたいだけなら、感情のない人形でも抱いていろ。

 本題。
 故人になられてしまったが、軍事評論家の神浦元彰さんが生前、テレビ局から戦争(危機)を煽るようなコメントを求められたと何かで読んだなぁ、と思って検索したらこの2つがヒットした。

「「中国軍と自衛隊の軍事衝突が起きる」と話して欲しいとテレビ番組のスタッフから電話。今回は中国軍の未熟を指摘し、「あえて危機を煽ることは出来ない」と断ると、そのように話せる人を紹介して欲しいと聞かれた。またか。どうしてテレビは戦争をさせたいのか。明日は日中戦争が始まると放送なのか。」(神浦元彰さん2013年2月5日のツイッターより)

【特別寄稿】北の衛星発射で多忙な軍事評論家‐神浦元彰
BLOGOS編集部 2012年04月11日 09:00
http://blogos.com/article/36320/

(抜粋)「神浦さん、北朝鮮のミサイルが打ち上げに失敗して、沖縄に落下すれば、大変な被害が出るという話しをしてくれませんか」と在京キー局のTV記者から電話がきた。言葉使いから明らかに、頭から湯気が出ている新人記者の様である。

それから約30分間、この新人記者に宇宙から大気圏内に再突入した北のミサイルは、空気との摩擦熱で大部分は燃え尽きると説明した。偶然にも残った破片で海上(地上)に落下するのはごく僅かだと。

「だったら、だれか市街地に墜落するという説明ができる人を紹介してください」と言う。そんな時、この30分間が無駄な時間だったと自覚する。絶句。

 テレビなんてこんなもんだ。国民に与える影響は大きいのに、その送り手は最善を尽くして番組を作ってなんかいやしない。話半分で見ておいた方がいい。

 私も、金正恩はもしかしたらミサイルを撃つかも(グァムに着弾させず海に落としたり、アメリカに上空で撃ち落とさせたり)とは思うが、それでも今のマスコミは北朝鮮の危機を煽り過ぎていると思う。しかも、各局で時間を割いて報道しているというのに切り口が同じで、情報源が同じなんだろうなとか、視聴者の感情をある方向へ導きたいんだろうなと思う。

 BBCで以前見たのだが(どの番組かは忘れた。EU離脱の選挙報道だったかな。)国民は危機を感じると保守(現状維持)に流れるんだと。そういえばこの北朝鮮の脅威でトランプの支持率が上がったらしい。(でもその後差別主義集団を非難しなかった事で再び下がる)そういえばうちの首相も、自分は有名人を集めて桜を見る会を開いたり、別荘で悠々自適に過ごしているくせに、国民にはミサイルの危機を煽ったりしてるなぁ。トランプと金正恩と安倍(三代目)が恐ろしいほど似ている。