芸能界の忖度問題

 水原希子さんが頭のおかしな人達から謂われなき誹謗中傷を受けている中、公に対して「声」を発する事ができる芸能人やテレビのスタッフが見て見ぬふりをして相変わらず不倫問題やらを取り上げている。この理不尽な差別に関して何らかの感情が湧きあがらなかったのだろうか。子供のイジメ問題などを取り上げる時は「苛められている現場を見たら大人に報告する」「見て見ぬふりはイジメに加担しているのと同じ事」なんてコメントするのに。

 そして安室奈美恵さんの引退報道。私は朝の情報番組を20分ほどザッピングしただけなので、もしかしたら深く掘り下げた番組があったのかも知れないが、私が見た所、どの番組も【驚く人々の街頭インタビュー】【過去の映像】【ファンの芸能人のメッセージ】などを流し、扱い方も「突然の発表には驚いたけど、長い間みんなを楽しませてくれてありがとう、お疲れ様!」と引退を好意的に受け入れている印象だった。

 もともと歌やダンスが好きで芸能活動を始めた娘が、あんなに人気絶頂の中で引退するのだから、普通の歌手が同じ事をしたら、もっと「ナゼ今なの!?」と追及すると思うのだが。実際日頃から安室奈美恵さんの事を考えているわけではない私は、このニュースを聞いた時に、同じく突然引退した高知東生とか成宮寛貴とか、そういう人を思い浮かべ「まさか逮捕逃れか!?」と思ったくらいだ。その後しばらくして「ああ、安室奈美恵さんってなんか事務所移籍でゴタゴタしてたなぁ」と思い出したのだが。事務所の社長が脱税で捕まったとか、指が無いとか。なるほど、マスコミの忖度か。

 いやらしいのは、水原希子さんの時は沈黙していた芸能人たちが、安室さん引退という乗っかり易いニュースにはこぞってツイートなどSNSでつぶやいている事。(まぁ、中には本当にアムロさんのファンでショックだという人もいるので一概に批判はできないが。)文化人というか、文筆業やジャーナリストの人達は割と水原さんの件に憤りのコメントなどを寄せていたが、活字のみのメッセージはやはり伝わり方に限界がある。冒頭にも書いたが、こういう問題を、公に対して「声」、しかも「かなり大きな声」を発する事ができる芸能人やテレビ番組がぜひ取り上げて欲しい。卑劣なイジメを無視する人間が、人の不倫等を批判できるのか?