差別を提供する人々

 大手出版社が発刊している某雑誌で再びマイノリティ差別発言を掲載しているそうだが、まだ物事の善悪がわからない若者がそういう発言をしているのなら「その考えは視野が狭くないかい?」「その発言によってあなたの見えない所で生きづらい思いをする人が沢山いるんだよ」などと伝えるのは大切な事だと思うけれど、今回の場合はもう今更考えが変わらなそうな、脳が化石化してしまったような人々だし、掲載にあたってもお金(雑誌の売り上げ)や雑誌と執筆者達の売名の臭いがプンプンとするので、これは無視をするのが一番良いと思う。

 「死刑になりたい」といって犯罪をした人を望み通り死刑に処する事が本当に罰につながるのか?という問題と似ている。この雑誌や執筆者は、明らかにこの事で世間がヒートアップする事を望んでいる。だからそんな連中の望みを叶えてやる必要はない。


 本題。
 それはそれとして、LGBTという言葉が世の中に出回る前から思っていた事だけど、マツコ・デラックスさんやミッツ・マングローブさんのようなマスコミに露出の多い人達がテレビで「どうせ私達オカマは〜」とか平気で口にするのがすごく気になる。

 自己防衛(マツコさん自身を守る)だけを思えば「私は身の程を知っていますよ」とか「言われる前に自分から言ってしまおう」と世間に伝える事で石原慎太郎氏のような人々からの攻撃をやわらげたいという本音があるのかも知れないが、テレビなどでそれをやられてしまうと、細々と世間(現実社会)で生きているLGBTの人や、女性っぽい仕草をする男の子をすごく生きにくくさせていると思う。LGBTのタレントさんが道化師のように振る舞う事も。

 それを見て育った子供とか、相手の気持ちを深く想像できないような人間(杉田水脈とその支持者のような)は「自分の本来の性別で生きられない人はおかしな人・劣った人」と当然のように思い、「ああ、こういう人達の事はからかってもいいんだな。」と女性っぽい仕草をしている人に対して「やーい、オカマ!」などと悪気なくからかい、そういう暴言やいじめなどを注意された時に「マツコだってそう言っているよ」と本気で言い返してくるのではないか。思考停止に陥っている無神経な人達が「考え過ぎ」「親しみを込めて言っているのに被害者意識持ち過ぎ」などと正当化してくる図が目に浮かぶ。 

 芸人達が自分を「ハゲ」「チビ」「デブ」「ジジィ/ババァ」「ブス/ブサイク」などと容姿や年齢等を蔑んで笑いをとっているのもなんだかなーと思う。自分達はそうやっていじられる事でお金(しかも安くないお金)が舞い込むからいいかも知れないけれど、何のガードもなく街中で暮らす庶民の身になって欲しい。そういう言葉を世の中に向けて発する事の影響力をもっと深刻に想像して欲しい。